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2005/05/31

浅田次郎『天切り松 闇がたり』第四巻 昭和侠盗伝

浅田さんの本は、あらかた読破している。最近発表される作品では、あまり泣かなくなったが、以前はよく泣いた。電車の中でも、どこでも泣いた。今回の単行本は既に掲載済みの作品をまとめたものだが、浅田さん特有の「節回し」は健在。しんみりする。

「和似」の意味に、うちのめされた。

フィクションと分かっていても、事実との絡め方が、本当に気持ちいいくらい丁度良い。

「早え話を早く済ますってえ了簡が、世の中を駄目にするんだぜ」

先日読了の『壊れる日本人』(柳田邦男 著)にもあった「効率」のことを考える。「効率」の対価として「失われていく何か」「失っている何か」。「スローライフが何より良い」とまでは思わないが、よく考えたい。
尼崎の電車事故でも、JR西日本の体質的な責任が問われている。確かに、重大な責任が問われて当然だと思う。けれども、それだけでいいのだろうか? 「今より早く、速く…」、多少の無理は承知で「速いこと」「早いこと」を求めていることはないか…、自分にも問いかけてみる。反省しきりだ。

「本物の男てえのは、辛抱強くてやさしいもんだ」

自分自身の評価だけではなく、第三者からみてもそうでなければ。でもこれ、男性に限らないのでは? 「本物の女てえのも、辛抱強くてやさしい」。 となれば、言い換えるのが許されるなら「本物の人間は、辛抱強くてやさしい」のだろうと。ということは、「本物の人間」になるのは、とても難しいように思える。

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コメント

>悠さんへ
いつもありがとうございます! 悠さんも、浅田さんをお読みになってらっしゃるんですね! 感激です。うれしいな!
そうそう、「プリズンホテル」では、大笑いの大泣きで、とても忙しいです。「壬生義士伝」では、涙でページを繰ることができなかったり、「天国への100マイル」では、電車の中でぼろぼろ泣いたり…「きんぴか」では“血まみれのマリア”にシンパシーのあまり一日中ぼ~っとしていたりしました。
「天切り松」は、テレビドラマでもやりましたね。今回発刊された単行本の第一話は、そのドラマでやったお話になっているようです。
舞台初日とかに浅田さん、お見えになるかしら? サイン会に一度だけ行きましたが、久しぶりにどきどきしたのを覚えてます。握手してもらった…。やさしそうな方でした。
いいな~! 舞台では、また違った味わいがありそうですもん。ご覧になったら、感想をアップしてくださいね。>少し先ですが、楽しみにしてます!

投稿: あかん隊 | 2005/05/31 21:21

「天切り松」ミュージカル(左とん平等)は来年の地元演劇鑑賞会の例会にはいってました、楽しみにしてます(^^ゞ。浅田さんは、泣かされますが、私は、「プリズンホテル」で、笑ってました(^^ゞ。

投稿: 悠 | 2005/05/31 21:07

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