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2005/05/22

村の写真集

murano(C)2004「村の写真集」製作委員会

恵比寿ガーデンプレイスの一角にある「東京都写真美術館」で公開されている。

会場のあちこちですすり泣く声が聞こえ、終わって外へ出た若い女性たちからは、「まだ5月だけど、いままで観たなかで一番よかったね」という声も聞かれた。

ところが、である。自分は、ラストに少しだけ登場する姉(原田知世)の場面で、少し悲しくなっただけで、とても感動というところへは到達できなかった。もっとちゃんとした父親だったら、よかったのにね、という思いで。

当たり前過ぎるのである。何もかも。山間の小さな村。そこでの歴史と人情。美しい自然。スローライフを求める人に対する急進派。余命の告知。それでも意地をみせる父親。ぶこつな、がんこな、無口な父親。でも、すばらしい感性をもった父親。反発する息子もいつしか、その父親を理解する。だめなんだ、こういうの。コース料理みたいになっていて「ほら、どうですか?」。

演技も下手。海東健は、どうしてあんなに下手なの? 学芸会じゃ感情移入できない。
宮地真緒にいたっては、そんな素朴な村に住む女子高校生には見えない。コスプレかと思った。だいたい高校生にしちゃ老けてる。何度かすべっている設定? 眉の形を整えて、あか抜けた化粧してる田舎の女子高生なんている? 彼女も下手だ。わざとらしい。

 『カナリア』の石田法嗣、谷村美月を見よ!

藤 竜也は、前から「キザ」でいやだったが、これはもう最悪。
力入りすぎているのが分かる。それになんとなく汚らしい。病人になっても、無精ひげくらい手当してほしい。

しかし、なんといっても、そこから先は、納得がいかないまま観続けることになった決定的なシーンがある。問答無用に息子の携帯を投げ、殴るシーンだ、これも予想がつく、定石の編集。
だが、いかな理由があれ、相手が理由を飲み込めないままの「暴力」は絶対に嫌だ。
自分の価値観を押しつけるために「暴力」にうったえる男性は、最低だ。
(自分自身や子どもたちにとって、今思えばDVに近いことが多々あったという経験があるため、偏った見方になっているかもしれない。それでも肉親への意味のない(説明のない)「暴力」は、最低だ)

話せばわかることなのに、自分が無口だからとかシャイだからという理由で、相手に想像しろ、といわんばかりの言動や暴力には嫌悪以外ない。ある種の「テロ行為」に等しい。>5.15事件を思い出した。>古いかも。
息子もその父の轍を踏むようにして「何が楽しくて、こんな村にいるんでしょうね。こんな村、私だったら3日もいたら…」という第三者にいきなり殴りかかる。そんなことをして、いいわけがあるまい。
どんなにその思いが「暖かく」「すばらしい」ものであったとしても、いきなり「理解しろ!」「わかっていて当たり前だ!」という意味での鉄槌がくだされるのには、強い反発を感じる。なんのために「言葉」があるのだ。
こういう形で暴力を振るう男性が「良い人間」として描かれていることが、非常に不快だった。

先だった妻を愛していた、というが、それは当事者間の問題だと思う。

行方不明だった長女(姉=原田知世)が、孫にあたる女の子を連れて戻ってくる。女の子は、おずおずと初めて会う「おじいちゃん」(藤 竜也)に「これあげる」と何か小さなものを差し出す。
これに対するおじいちゃんの台詞がいただけない「なまえは?」

人に何かをもらったらまず「ありがとう」というのが先だろう。もう、だめだ。
彼が自分勝手なことをしているのに、まわりはそれを「暖かく(?)」みているだけなのだから。

世の男性は、ああいった自己中心的かつ暴力的な父性を求めているものなのか?
もしかして、女性も? 参りました。

※この後「さよなら、さよならハリウッド」を観る予定でしたが、受付に行ったら「残り10席」と言われたのでやめました。だって、恵比寿ガーデンプレイスシネマって、段差がわずかで前に座高の高い人でもすわると、じゃまになるんですよ。平日に再度チャレンジするか、DVDになるまで待つかな。

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コメント

>Babi Kaoruさんへ
こてんぱんな評価ですみません。
ええ、偉そうなこと書いてしまいました。あくまで個人的な見解ですので、他の方のブログも参考になさってくださいませね。自分は、どうしてもこういうタイプの「暴力」を許容できへんのどす。>あれ…ことばが変だぞ。。。

投稿: あかん隊 | 2005/05/22 08:05

>悠さんへ
コメントありがとうございます。朝、早いんですね(^ ^;)。
脇を固める俳優さんたちは、とてもいいんですよ。ほんとうに。でもね、主だった役が、あれでは…と自分は思いましたが、意見はいろいろあると思いますデス。そのうちDVDにもなるんじゃないでしょうか?>近所素通り。。。

投稿: あかん隊 | 2005/05/22 08:01

あぁ…、まだ観ていないというか観なくてもいいかと思ってました。
想像していたような感想でした。

病人らしくない病人…、演技以前の問題?
うぅ~、残念…。


投稿: Babi Kaoru | 2005/05/22 07:43

「村の、、、」興味はあったのですが、近所は素通りなんです。「Drコトー」みたいな「人の感動を誘うために、人を死なすなよ」ってな映画でしたか(^^ゞ。多分、エンターテインメントな要素はなさそうですね。
「話せばわかる」ってのは、「話せない」から暴力になるんでしょうね。しゃべらない高倉健の映画に人気があるとこみると、根は深いかもですね(^^ゞ

投稿: 悠 | 2005/05/22 07:28

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