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2005/08/10

ネグレクト-育児放棄

negrect書店で本を物色する時、ひとつの目安として「奥付」を必ずみることにしている。この本は、初版2004年11月、2005年2月に第3刷。

著者は、杉山春という女性のフリーライターの方。初めて作品に触れたが、読みやすかった。特に公判の判決文等は、とてもわかりやすくまとめてある。

事件は、非常に悲惨で凄惨だ。だが、著者は、信念を持って関係者にインタビューしている。わずか3歳の我が子を餓死させた両親は、あまりにも精神的に幼い。しかし、それだけではないことがわかってくる。
「ストレス」「トラウマ」といったことの集積と世代を超えた固定化。地域の繋がりの欠如、遠慮と配慮、行政の縦割り、「…と思った」式確認ミス、希望的観測…。大人たちの空回りのなか、3歳の幼女は、汚物にまみれ、段ボールの中で餓死した。

事件に関係するどの家庭をみても、「父親の影が薄い」、と著者は言う。よかれと思って「孫を預かる義母」も仇(あだ)となる。「あの時、入院させていれば…」という小児科医は潔い。

カレシとカノジョは、歪みに堕ちた。なのに、彼らは妙に明るい。
「かわいそうなことをしたと思っています。でも、悲しんでいてもしかたないので、前向きに明るく、がんばって生きていくつもりです」 彼らは、こう述べている。あなたは、これをどう受け止めるだろうか。

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コメント

■悠さんへ
気にしない、気にしない>unknown 大丈夫です。
育児に限らないのかもしれないけれど、見守りながら自信を持たせてあげるような環境というのは、とても大切。

自分自身を卑下したり、責めたりしがちな人には「逃げ場」を作ってあげないと。誰も褒めてくれなかったら、自分で自分を褒めてあげないと、つぶれてしまうことってあると思っています。

カノジョは、この娘だけじゃなく、下の子もいて、妊娠もしていた。これは無理ですよ。どう考えても。生活費も不足しているのに通販での買い物が、我慢できない。借金もする。カレシは、仕事には熱意を持っていたようだけど、家庭ではゲームだけ。赤ちゃんが泣いてうるさいと「耳栓」してゲームしていたようです。カノジョが困っていても「家事と育児は女がやるもの」として、全く関知しなかった。

「何もしないこと」も「罪」になるのですよね。

投稿: あかん隊 | 2005/08/11 23:03

すいません。ハンドルいれずに送信しました。下のMSG。

投稿: 悠 | 2005/08/11 22:32

>自分の大嫌いな義母に見えてくる。
おいらの想像力のおよばない世界だったのだ(-_-;)。そういえば、ザ・リング2@映画も悪霊に憑かれた息子を殺す話ですもんね(子供の悪霊が死んで、いい子供はよみがえりますが、悪霊+子供は、死んじゃいます(:_;))

投稿: | 2005/08/11 22:31

■悠さんへ
コメントありがとうございます。
単身で育児するのは、もっとたいへんだろうと思います。支援が必要ですね。それでも、悠さんは、調べよう、相談しよう、支援を受けようと思うでしょ? 困ったら、普通はそう思うと…。ところが、「嫁」の立場では、「舅や姑」に支援してもらいたくなかったりするわけです。カノジョも「お願いします」って、預かりにくる義母に言う。でも、心は逆なんです。戻ってきた自分の娘が、反抗的なこと(言うことを聞かない)をする、自分の大嫌いな義母に見えてくる。子どもの検診では、他の子と、どうしても比べられて「劣っている、遅れている」と言われる。そのことが、「あなたが悪い」と言われているように感じる。そうなると、娘が、自分の至らなさの象徴のように感じられて、どんどん憎らしくなる。こういう悪循環、すごく解るんですよ。「お宅のお子さんは、標準じゃない(発育等が)」といわれることで、初めて育児している母親は、ひどく責任を感じてしまうと思うんです。かわいがっていないわけじゃないのに「やり方がまずい、愛情が足りない」と言われているような気持ちになったりするのですね。

ダンス・カンパニーのお話、興味深く読みました。そのシステムでも「一定水準(高い水準)」で維持できている…。できるんですね。参加する人たちの意識が高ければ。

投稿: あかん隊 | 2005/08/11 20:34

うーん、私が、赤ん坊と二人きりで、住むようになった状態を考えますと(考えたくはないのですが)育児に対する知識0、仕事、その他に支障をきたす。。。で、多分、赤ん坊にネグレクトな感情がゆく。そういうときほしいのは、支援ですね。おいらならインターネットで調べるか、知人聞くこと、相談所で相談することしかおもいつかない。仕事続けられる支援、仕事やめたときの不安の相談にのってくれるところですね。近所つきあいしてないから、これは、宛にならない、兄弟離れているから宛にならない。。。支援が何もないところで、おいらが育児をまちがって責められたらつらいかな(--;)。しかし、あっけらかんとしすぎてますね、親のコメントは。
この間、ダンス・カンパニーで、運営者に権力を持たせないシステムをとっているところ、所属員は、稽古日でも、アルバイトがあれば優先していい、それでも、一定水準(というか高い水準)のダンスを維持しているところが紹介されてまして、うーん、これからは、こういうカンパニーがいいよね、演出家さん、怒ってばっかりの組織よりは、と(「怒んないでね」のレスもかねて)

投稿: 悠 | 2005/08/11 15:00

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