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2005/10/26

LAND OF PLENTY

wendersトロナのモーテルで、ヴェトナムでの悪夢にさいなまれるポール(ジョン・ディール)を見てしまった後は、泣けて泣けてしかたありませんでした。
「なぜ?」と。ポールは、善人です。国を愛し、人を愛している。その人が、どうしてこんなにも傷つかなければならないのか。ラナ(ミシェル・ウィリアムズ)は、ポールとは異なる視点で事実を認識し、彼を救います。こんな形で「グランド・ゼロ」を見ることになるとは思いもしませんでした。

ラナが言います。「目を閉じて、耳を澄ませば、聴くことができる」
「ここで、犠牲になった人たちに、復讐を望む人はいないだろう」(表現は、少し違うかも)

ヴェンダース監督の舞台挨拶があるというので、眠い身体に鞭打って出かけました。どうやら整理券はゲット。
1945年生まれの監督は、ロマンスグレー! しかも、どこか控えめな印象でした。少年のような純粋さも、ただよわせているように思います。同時通訳の方がついて、簡単な挨拶の後、質疑応答になりました。流ちょうな英語で質問された方も。

ポリティカルな映画なのだ、「怒り」を持って製作したと監督はお話されていました。それでも、監督は「アメリカが大好きだからこそ…」とおっしゃいます。クリスチャンとして考えてみても、今のアメリカに居心地の悪さを感じることが少なくないそうです。

L.A.のスラムに登場するホームレスの人々は、本当に彼の地でそういった生活をしている方々なのだそうです。低予算だからこそ、言いたいことがたくさん言えた、という監督。高額な予算で製作される映画では、言いたいこと、やりたいことは、どんどん殺がれてしまうとも。お金をかければ、良い映画が作れる…というわけではないのです、と。

※追録:ヨセフ(ジョー)を演じているバーナード・ホワイト、どこかで、あの「哀しそうな表情」を観た覚えがありました。『マトリックス・レボリューションズ』で、サティの父親役を演じていた方でした。この映画でも、哀しい役です。

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「映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

■ミチさんへ
TBとコメントをありがとうございます。
TBは、制限…というよりは、ニフティのブログからTBするのに、とても時間がかかることがあったり、エラーが頻発したりするので、新しい記事には、TBをデフォルトにしないことにしました。忙しくて、お返しできない場合が多いということもありまして。すみません。

この映画は、どうしてももう一度観たいので、DVD化を待っているところです。
『アメリカ、家族のいる風景』、そろそろ公開されているかもしれません。ヴェンダース監督の最新作です。これも観たいなぁ。時間があるかなぁ…。

投稿: あかん隊 | 2006/02/15 00:23

こんにちは♪
TBを受けるのを制限されているようでしたが、まさ再開なさったのかな?
監督の舞台挨拶もご覧になったんですね。
ドイツ人の彼から見たアメリカ、その視線はとても優しかったと思います。
>低予算だからこそ、言いたいことがたくさん言えた
本当にそうなんでしょうね。
たくさんお金を出してもらうとそれだけ口出しする人が増えるし制約も増えるでしょうから。
グランドゼロのシーンがとても心に残っています。

投稿: ミチ | 2006/02/14 20:27

■かえるさんへ
ヴェンダース監督は、この映画で初めて知った方でした。恥ずかしながら…。
でも、これで「生」監督も見られたし、随分記憶が鮮明に残ったと思っています。
今度『パリ・テキサス』を観てみたいです。

投稿: あかん隊 | 2005/11/27 13:05

舞台挨拶をご覧になったのですねぇ。
うらやましい。
ロードムービー好きな私はヴェンダース作品大好きなんですが、今作もとてもよかったです♪

投稿: かえる | 2005/11/27 12:18

■purple in satoさんへ
こんばんは。コメントをありがとうございます!
レナード・コーエンのCDを聴いてらっしゃるとか。映画を観た後は、曲を聴いただけでも涙がでます。そんな映画です。曲の歌詞にも注意しながら、観賞なさってくださいませ。映像と音楽が、これほどシンクロしている作品には、めったにお目にかかれないかもしれません。

投稿: あかん隊 | 2005/11/12 01:05

TBありがとうございますぅ!
こちらからもTBさせてもらいますね。
ヴェンダース監督の最新作は予告編だけで鳥肌&目頭熱くなりましたよ…。
こちらでの上映を心待ちにするばかりです☆

投稿: purple in sato | 2005/11/12 00:56

■現象さんへ
TBをいただいたので、速攻お邪魔してしまいました。とんちんかんなコメント、残したかもしれません。(恥)
最初は、どきどきしていたのですが、後半、展開がスピードアップしたころには、もう、ぼろぼろ泣き通しでした。今でも、サントラを聴いたり、思い出したりするだけでも、うるうるです。>どうなっちゃたんだろ。
同情とか、そういうたぐいの感情ではないんですけど。むしろ腹立たしいくらいの気持ちが、あるんですけど。

投稿: あかん隊 | 2005/11/07 16:16

ヨセフのシーンが泣けて仕方なかったです。
ラナとポールの視点で現在のアメリカを描いて、
多角的に知ることができました。
ヴェンダースがまさにやりたかった作品なんですね。
16日間で撮りあげたとか、
とてもそうは思えないヴァンの旅が感動的でした。
ヴェンダースにはこれからもフリーな作品を作ってもらいたいです。

投稿: 現象 | 2005/11/07 16:04

■yukinoさんへ
TBとコメントを、こちらこそありがとうございます。
ライターさんなんですね。プロの…。
あとから気が付いて。自分は、ぶっつけ書き込みコメントなので、添削も校正もなしだったため、なんだかひどく恥ずかしい文に…。>赤面

情報をありがとうございます。出かけてみたいのは山々ですが…。いやいや、もう映画やらなにやら、余興しすぎです。>自分
働かないといけない。(爆)

投稿: あかん隊 | 2005/10/30 02:03

TB&コメントありがとうございました!
ヴェンダース監督の舞台挨拶をご覧になったんですね。たまたま別件で来日していたので急遽舞台挨拶も、ということになったそうです。

ちなみに11月3日までTSUTAYA TOKYO ROPPONGIでヴェンダース監督の関連商品やパネルが展示されてます。よかったら足を運んでみてください。

投稿: yukino | 2005/10/30 01:15

■snowflower_001さんへ
時間が足りませんね。お金の方は、映画だったら、なんとか割引を利用する方法もあるのですけど。お芝居等はきついかなぁ。
『プーシキン美術館』様子を教えてください。
アサヒ・コムからアクセスできる公式ページに「割引チケット」ありますよー。>招待券等、お持ちなのでしたっけ?

気持ちはあるので、できれば行きたいデス。
(悠さんのところで、「プーキシン」とやっちまいました(汗)。自覚してマス)

投稿: あかん隊 | 2005/10/29 03:04

この映画を見るのは、私は来月後半になりそうです。
『スクラップ・ヘブン』も早く見たいのに、まだ未見です。
見たい映画や芝居がありすぎて、とにかく時間が(あとお金も)足りません。
体が三つあればいいのに(笑)。
あ、土曜に『プーシキン美術館』偵察に行ってまいりますので、あとでご報告しますね♪

投稿: snowflower_001 | 2005/10/29 02:52

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