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2006/01/26

ある子ども LE ENFANT (20060126)

音楽がないと、場面で聞こえる微かな音にも敏感になるのがわかる。
「映画」なのか、ドキュメンタリーなのか、もともとそういうカテゴリ分けを嫌うものなのか。
ダルデンヌ兄弟の作品を観たのは、これが初めて。一種独特の雰囲気に酔わせてもらった。

最後に泣いているふたり…。同じ思いで泣けたのかどうかは、微妙だろうと思う。

閑散とした街並み。
容赦なく、そこにいる人間を全く無視して、かなりのスピードで行き交う車。その車を縫って、横断する若いふたりが、行ける場所は、どこなのだろう。真摯に生きようとする者たちに、この国で手をさしのべる人は、いるのだろうか?

ジミーをのせた乳母車は、やがて、からっぽの乳母車になる。それをそのまま押して歩くブリュノ。
押して歩くのは、乳母車からスクータに変わるが、それも「無人」である。

彼らだけで完結していた世界が、そこにあった。社会的な営みから逸脱した世界。
行き交う車が、彼らを無視するように、社会も彼らを無視していたのか、それとも、彼らが「無視されている」と感じていたのか。だが、そんな彼らに声をかける者は、反社会的な「悪者」でしかないのだ、と彼らは気付くことができなかった。ジミーを売ろうとしたことで、それに気が付くことができたのだとすれば、「苦労はしても、健全な生活」が、どんなに「安心」なものであるかを実感できるだろう。

ソニアは、母性に目覚めることで、「このままではいけない」と気付く。女性は、出産によって気付くことが、とても多いし、大きい。それに比べたら、男性は、気付くことが遅れる。もしかしたら、ずっと気付かないかもしれない。

※今年になって、やっと2本目。匍匐前進して、恵比寿まで出かけた。
昨年までの考え方を少々反省して、今年のスローガンを掲げてみたい。

『感想を求めて観るのではなく、「映画」そのものをしっかり味わおう!』

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「映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

■いわい さんへ
コメントありがとうございます。

>意図的に音楽のない映画って、音に注意深くなります

本当ですね! ダルデンヌ兄弟監督の映画は、初めて観ましたから、びっくりしました。

日本は、「お客様は神様」の国ですもんね。(笑)
電車に乗る、これだけでも、随分親切な「案内」がたくさんあったり、アナウンスもたくさんあったりしますね。
機械のマニュアルなどでも、日本の方が、よくできているような気がしますが、わかりやすいかどうかは、別ですね。(笑)

投稿: あかん隊 | 2006/02/04 04:42

こんにちは♪
意図的に音楽のない映画って、音に注意深くなりますよね。

それほど何度も行ったわけではありませんが、ヨーロッパに行くと、道路を渡るのに苦労します。現地の人はすいすいと車の波を縫うようにして渡って行くのを思い出しました。
乳母車で渡る、それをわざわざ映しているのには、意図があるんでしょうね。

日本って、まだまだ人に優しい国なのかもしれません。(その点ではですが)

投稿: いわい | 2006/02/03 10:03

■マダムS さんへ
コメントありがとうございます!
仕事は、DTPデザインやらWebデザインやらライティング少々…といろいろです。
ここまで「圧迫感」にさいなまれたことは、あまりなかったような気がしますが、ようやくエンドクレジットの気配が…(ほっ)。

マダムSさんもご存知だったのですね。ダルデンヌ兄弟監督。自分は、これが初めてでした。
『ロゼッタ』は、どうでしたか? 他の作品も観てみたいのですけど。

昨年のように、山ほど映画を観る時間がとれないかもしれないので、映画そのものも厳選せざるを得ないかなぁ…と思っています。
マダムSさんもお仕事、お忙しそうですが、映画の時間を作ってらして、偉いです。

投稿: あかん隊 | 2006/02/01 00:19

今晩は♪ 少しお時間が出来たようですね?
安心しました。どんなお仕事をされているのかわからないのですが、大変でしたね・・。
私も昨日「ある子供」地元の小さな映画館で見てきました。横浜で単館系の映画館が次々つぶれてしまい嘆いていたら、昔からあった普通の大作系の映画館がボチボチこういった映画をかけてくれるようになったので、歓喜している所です♪ 
ダルデンヌ兄弟作品は「ロゼッタ」で作風を知っていたので、驚きはしませんでしたが、これも音楽も何もなくただじっと登場人物を見つめるカメラワークにとまどいつつ 最後はしっかり心を掴まれる作品でしたね~
私も観た作品全部感想書いていたら、それに追われてしまうのでだいぶ穴だらけですよ~笑

投稿: マダムS | 2006/01/31 22:15

■悠さんへ
ああ、よかった。とどきましたね?
いろんなことを猛烈なスピードで処理しているので、ミスがあったかと…。(汗だく)

ロシアの劇団ですか? 寒さを避けてくるのかしら。あちらも今年は、ものすごい寒さでたいへんなようですね。ウォッカが、凍るとか?(違う?)

さあ、やっと「ユーザ操作マニュアル」の大幅構成変更処理が終わったので、これから「選書」の装幀の仕上げにかかります。夜のうちに終わらせて、明日には、確認をいただいて発送しようと思ってます。今は、WindowsこれからMacintosh。

投稿: あかん隊 | 2006/01/30 01:59

ご本ありがとうございました。
こうなりゃ〜、フランスからドイツに足を伸ばして、ついでに、ロシアまで(笑)です。ロシア行くかわりに、ロシアから劇団が来日しますんで、この日露流になってきます(爆)

投稿: 悠 | 2006/01/29 18:54

>本、届きました?
お送りいただいたんですね、ありがとうございます。
昔、美術の時間、写生のとき、おいらの絵を見に来た先生「おい、悠、フランスへいきたいな~」と唐突に言ってこられた迷惑な方でしたが、妙に「フランスへ行きたい」って言葉が耳に残ってます。
旅行嫌いなおいらが「フランスへ」と思ってるほど、この前のご本は、おもしろかったです。お送りいただいた本楽しみに待ってます\(~o~)/

投稿: 悠 | 2006/01/29 00:34

■現象さんへ
「行き交う車」が、非情で、非人間的で、顔がなくって、動物よりも冷たく、恐ろしいものに見えました。
横断する彼らが、轢かれてしまいそうで、すごくはらはらしました。たぶん、あれは「メタファー」ですね。ひどいと思いました。

車を運転する時には、人格が変わってしまう人が、案外多いかもしれません。
監督の、独特の雰囲気は、辛いけど、嫌いではありません。良かったと思います。他の作品も、きっと観てみますね!

「感想」を書きたいから、「映画」を観てるわけじゃない…とふと思いました。なので、今後は、映画も厳選して、感想が書きたくなったら、記事をアップするようにしようと思っています。今は、忙しいせいもありますけれども…。(汗)

投稿: あかん隊 | 2006/01/28 07:51

■ミチさんへ
コメントありがとうございます。
ときどき、覗いてくださってたんですね?(感涙)
自分も、よく、ここへ訪れてくださる方のブログは、ちょっこちょっこと覗いていました。(汗)

どこも、小さな映画館は、危機的状態のようです。函館でも、ひとつつぶれた…とか。
シネコンの功罪のうちでしょうか。映画人口は、増えているのに「地方の小さな映画館」はとてもやっていけなくなってしまっている。
たしか、そんな映画館を題材にした映画が、できていたはず…。。。なんだったけぇ。自分の記事やコメントを検索してみませう。<あとで。

2月10日にならないと、どうしようもない状態は、少しも解消されず、ますますひどくなる一方です。終わるだろうと思っていたのが、終わらず、ないだろうと思っていた仕事が発生したりして…。どれもこれも、断り切れないものばかり。嗚呼! 合掌。。。

投稿: あかん隊 | 2006/01/28 07:45

■悠さんへ
本、届きました?(笑)<謎。
たくさんあって、お困りのところへ、また1冊。。。(爆)

「逆転」
そうなんです。「映画」を観ようと出かけているのに、次の瞬間、「ああ、これは、こんな感想が書ける…」なんて思ってしまったりして。
「よーし。これ観て、感想書くぞ」なんて、意気込んでいたりする。
これって、やっぱり「どこか違う」、とこのごろ(映画の禁断症状がでてきて)思ったことです。

投稿: あかん隊 | 2006/01/28 07:40

車の合間を縫って横切る人、
というシーンはダルデンヌ作品でよく見られると感じます。
最後の涙はおそらく、二人で違いがありましたね。
基本的に男はダメダメです。
そういや僕も「映画」そのものを味わえてるかな…

投稿: 現象 | 2006/01/27 23:15

こんにちは♪
この映画こちらでは上映されるのかしら?
ミニシアター存続の危機で、ただいま署名運動展開中です。
このミニシアターがなくなると年間150本の映画が金沢では見られなくなるんです・・・(涙)

どうなさっておられるか心配していましたが、2本目の映画の記事がアップされてちょっぴり安堵いたしました。
1月中ごろには目処がつきそうということでジリジリしながらお待ちしていましたよ~(笑)
映画鑑賞が疲れを癒し、活力増強となりますように♪

投稿: ミチ | 2006/01/27 19:20

>『感想を求めて観るのではなく、「映画」そのものをしっかり味わおう!』
ほんとにそうですね。なぜか、逆転がおこりますね。私も、自覚しなきゃです。一番大切なのは、「自分」ですもんね。

投稿: 悠 | 2006/01/26 23:56

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