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2006/03/11

『星々の舟』(村山由佳:著)(文春文庫:刊)

hosibosinoとてもおもしろかった。女性の作家には、ともすると「くどいな」と思う作品が多いのだが、そう感じなかった。
登場人物の、それぞれの立場で描かれるストーリー。それぞれに、とても「切ない」。だが、それだけではなくて、著者が、暖かい目で人々を見つめているのがよくわかる。

よく取材されているし、情報も整理されている。よくある「ハッピーエンド」は、ない。
なのに、読み終えても、「きっと彼らは、幸せになる」という予感のようなものが残る。その「幸せ」は、個別の「幸せ」であって、誰かと共有するものではないように思える。

「幸福じゃない、幸せ」もある。
究極、「自由であること」は「孤独に耐えられること」であったりする。

難しい表現は、していないのに、こうまで複雑な、どこか新しくも思える「幸福」の概念というのか、その価値観を感じられたのは、良かったと思う。

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「書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

■ミチさんへ
はい。自分も「恋愛」「青春」系は、どうも苦手です。
だからかな、「韓流」の恋愛映画やドラマは、ちっともおもしろいと思えない…というより、ほとんど見てない。(汗)

表現のくどさはありませんでしたが、やっぱり性にまつわる描写は、女性的かもしれません。小説とはいえ、設定は、かなりしんどいものがありました。それでも、「孤高」を感じることができたので良かったと思っています。

案外、女性よりも男性に受けるんじゃないかなぁ。特に「ロマンチスト」の男性諸氏に。(汗)

投稿: あかん隊 | 2006/03/14 18:43

■かねたん さんへ
単行本より前に、どこかで発表されていたことがあったのでしょうか?
というより、そのころは、やっぱり20代だったのかもしれませんね(爆)。

投稿: あかん隊 | 2006/03/14 18:37

こんにちは♪
私も読んだばかりの本です。
「幸福じゃない幸せもある」
なるほど・・・。
村山さんの本は初めてでした。
恋愛モノは普通手に取らないのですが、この本は帯のうたい文句に引かれて買っちゃった(笑)
http://blog.goo.ne.jp/oj0216nm/e/3989edf516275065805734bf65ba0fb0

投稿: ミチ | 2006/03/14 18:05

あり?
集英社のWebサイトで調べたら、1994年の発売ということになっていました。

しかし、この本を読んだシチュエーションを思い返すと、20代の最後の頃のはずなのですが…

投稿: かねたん | 2006/03/14 01:34

■えい さんへ
コメントありがとうございます。
村山由佳さん、この本が初めてです。(恥)
青春・恋愛がテーマの小説は、どうにも苦手で、それらしきタイトルは避ける傾向があります。>自分
社会派っぽいのが好みかも。
この本は、こうしたところも刺激してくれたストーリーでした。
強がりかもしれないのですが、「ひとりでいること」が多い自分の日常や敢えて誰かと一緒にいたいとは思えなくなっている自分の心情に呼応するものがありました。

猫さんですか? それは、読んでみようかな。(笑)

投稿: あかん隊 | 2006/03/13 18:30

すみません。

URL、あわててました。
『シリアナ』なんていう、
まったく関係ないところに張ってしまいました。m(_ _)m

投稿: えい | 2006/03/13 00:39

こんばんは。

こちらで村山由佳さんの名前に出会えるとは・・・!?
ぼくも「おいコー」を紹介されたのがきっかけで
けっこう読みました。
「夜明けまで1マイル」「きみのためにできること」「野生の風」……。
エッセイの「晴れときどき猫背」は
猫好きにはたまりません。
号泣ものです。

「星々の船」も彼女らしいタイトルですね。
読んでみようかな。

投稿: えい | 2006/03/13 00:33

■かねたん さんへ
コメントありがとうございます。
え? 20代のころですか? そんなに昔ですか?(汗)
『天使の卵』は、この秋くらいに映画公開されるようです。ジュエリーも人気のようですね。
先日、友人が、銀色のちいさな卵に金色のちいさな翼がついたペンダントトップをつけたものを身につけていました。

恋愛物は、苦手なのですが、この本は、ちょっと違った雰囲気だったのがよかったと思います。

投稿: あかん隊 | 2006/03/12 22:25

20代の頃、『天使の卵』を読んで、好感の持てる作家だと思いました。
その後は、小説を読むことが極端に減ってしまったので、まったく読んでいませんが、チャンスがあれば、また読みたいと思っています。

今はどうしているのか知りませんが、房総半島の海の近くに古い民家を借りて、自給自足に近い生活を送っていたと記憶しています。

投稿: かねたん | 2006/03/12 13:22

■happyjust さんへ
コメントをありがとうございます。
自分も「いい(?)おばさん」なので、文庫読みながら、めそめそしているのを息子に見られたら、いやだな~、と思っています。が、テレビドラマでも、ときには、ニュースでもよく泣く、泣き虫なので「またか」と思ってくれるでしょう(爆)。
この本は、よかったですよ。著者のことも、直木賞のことも、何もしらずに裏表紙にある「さわり」だけで購入したのですが。筆力のある作家さんだなぁ、と思いました。底辺に流れる「幸福」「孤独」「自由」「愛情」への想いに、シンパシーを感じました。

投稿: あかん隊 | 2006/03/12 00:19

村山由佳さんは、僕も好きです。いいおやじが読むのも変なんですが、息子が夢中で読んでいた「おいコー」シリーズを拝借して読んだら実に面白かった。女性なのに男の子の気持ちがあんなに分かるなんて。この本も早く読みたいと思ってます。

投稿: happyjust | 2006/03/11 11:31

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