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2006/06/05

嫌われ松子の一生(20060604)

おもしろかった。カラフルで、ウィットにも富んでいて。
原作は、とても暗いお話のようだけど、中島監督の手にかかると、こんなにも違った世界になる。

「下妻物語」でも、そうだったけど、世の中の「少しばかり(少しじゃないかもしれないが)アウトロー」な人たち、特に女性に対して、理解がある、というか、彼女たちの人格を評価しているというか…。
映画としても、とても楽しめる。満天の星、河原にある草原の広さや川沿いに続く道の映像は、下妻にも通じるような気がする。

自分も、(病弱ではないが)妹がいる。「おねえちゃん」という呼びかけには、どきっとした。

純真で、寂しがりやで、「愛」という言葉に弱い。
ファザーコンプレックス。シスターコンプレックス。心理的にみたら、大人になりきれないまま、身体だけ大人になった「純粋無垢」な精神…といったところか。こういう人は、「学校の先生」になってはいけなかった。

彼女の「愛」は、いつも「受け身」だ。人生も「受け身」だ。自分から選択肢をせばめてしまっている。
唯一「光ゲンジ」フリークになった時は、当然のように「自己中心的」であることが、よくわかる。
残念ながら、彼女のような考え方では、彼女が本当に望んでいた生活は無理だっただろう。

人生は、愛…かもしれない。でも、愛というのは、「家族愛」「男女の情愛」だけではない。
愛があれば、いつも一緒に生活するもの、そういう概念が哀しい。

「愛だけが生きがい」になると、あのような人生もあり得るだろうけど、「生きがい」は他にもたくさんあるし、「孤独」はそれほど辛いものでもない。対する人がいなくなると、見てくれにも構わなくなってしまう彼女は、自分自身を愛していないように見えた。

自分自身を、正しく愛せない人に、他の人を真実愛することはできない。

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「映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

■猫姫少佐現品限り さんへ
コメントありがとうございます!

>変な映画

確かに~。
同情でなくても、泣けることはあると思います。
(因果応報であったにせよ、不幸なまま死んでしまった、ということは、哀しいです)

投稿: あかん隊 | 2006/07/03 22:03

こんばんは!
あたしは決して共感したくないし、同情もしない。
でも最後は、泣いちゃいましたケド、、、
変な映画。

投稿: 猫姫少佐現品限り | 2006/07/02 04:12

■ミチさんへ
自分も、松子さんの生き方は、好きじゃありません。(^^;)
とてもできません。ちょうど、今「境界型人格障害(ボーダーライン)」という、ちょっとした専門誌を読んでいました。
彼女は、あきらかに「人格障害」だと思います。適切な治療を受けるべきだったのかもしれません。
自分のことって、一番解ってないものなのかもしれない…、と我が身を振り返り、足下を確認するようになりました。(^^;)

マイノリティな意見でも、自分は、平気です。(爆)
声高にはなれませんし、マジョリティな意見にも耳を傾けますが、それはそれ、これはこれ…って、どこかで聞いたような…。(汗)

投稿: あかん隊 | 2006/06/09 20:20

こんにちは♪
原作をあのままストレートに作っていたら目も当てられない物になっていたと思います。
あの原作を読んでこの映像を思いついた監督は凄いですよね。
映画として映像として凄いものを見たなという驚きで一杯でした。
ただ、原作を読んだときにも思ったけど、どうしても松子という人間が好きじゃない(暴言だったらごめんなさい)
これを見て泣いたという方が多くて、第一松子を愛せない私という人間はどーなの?なんてまたまたガックリ。
少数派って結構悲しかったりしますね。

投稿: ミチ | 2006/06/09 18:15

■現象さんへ
コメントありがとうございます。レスが遅くなってごめんなさい。>すぐ終わる…と思っていた仕事が、実は終わらない状態のものでありました…(^^;)。

ほんとは、もっと簡単なことで、
「自分自身を好きになれないと、他の人を好きになるのは難しいんじゃないか」って思っているんです。
逆に言うと「自分自身が嫌いだと「好き」という感覚は、微妙に違うものになる」ような気がしています。

そりゃあ、「自己嫌悪」になることって多いです。
でも、ときどき「よっしゃ! よくやった、自分!」って思えないと、自暴自棄になるのは仕方ないかなって。

「自分を褒めてあげよう!」運動を展開しています。(爆)

投稿: あかん隊 | 2006/06/07 15:04

>自分自身を、正しく愛せない人に、他の人を真実愛することはできない。

うわ!自信がない…

おっしゃるとおり松子は自分を愛せていませんでしたね。
おそらく環境・境遇によって常に受身となったように思われ、
さだめは必然だったのかなぁと感じました。

投稿: 現象 | 2006/06/06 01:56

■カヌさんへ
おお! ご覧になりましたか?
おもしろかったですね。監督さんの力、すごく感じた映画でした。中谷さん、この監督さんの手にかかって「違う側面」を引き出せたと思います。あと一息かな(^^;)。

投稿: あかん隊 | 2006/06/06 01:33

こんばんは。昨日観てきましたよ~
松子は愛に飢えていたと思うし、愛をもらうためには貪欲やったと思います。父親を笑わすために変顔するのなんて悲しくなりますよね。
自分だけの愛(神)を求めてる松子を神だと思う人もいるというのは、見る角度によって、白が黒にもなるし、また逆もあるってことなんだなぁって思いました。
まぁ、とにかく面白かったです!

投稿: カヌ | 2006/06/05 21:34

■RINさんへ
確かに。「全肯定」と「他人からの評価」。
これは、重要ですね。「全肯定」された経験がない自分は、特にそう思います。(^^;) 松子にならずに済んでいるのは、彼女ほど「美人」でも「魅力的」でも「セクシー」(爆)でもなかったからかな。
いえいえ、親ではなくて「他人の目」の方が、よく評価してくれていたように思います。「自信を持っていいんだよ」って、言ってくれる人の言葉が、彼女には、届いていなかったのかも。

特に、歪んでいるとは感じなかったですよ。
無理もない、と思いましたですよ。むしろ、どんな男性でも、精一杯好きになって、頑張る彼女が羨ましくも思えましたから。だから、願わくは、最後まで「ずっときれい」でいて欲しかったし、切なかった。泣けましたよ。ほんと。。。

投稿: あかん隊 | 2006/06/05 20:51

■たいむさんへ
コメント、サンキュです。
確かに、「何をして貰ったかではなくて、何をしてあげたか」
というようなメッセージがありましたね。
「何かをしてあげる」のも、もしかしたら究極は、自分のためだったりするかな、と思っている自分です。
「何かをしてもらう」のは、案外「相手のため」だったりしませんかねぇ…。うー…。なんだか、混乱してきました。

まあ、あれはあれで、「案外幸福」の部類かも、と結論しています。(^^;)

投稿: あかん隊 | 2006/06/05 20:41

「お姫様」は、王子様を待っていて王子様に幸せに
してもらうのが当然だと思っている女性じゃないです。
きちんと、
「お前は本当にいい子で可愛くてすばらしい子だ!」
と誰かから全肯定してもらったことのある、
気品と自分に対する自信を持っている女性です。
松子は、そういう「全肯定」してもらった経験がないから、
自分のことをきちんと愛せないし、自信もないし、
他人からの評価がないと安心できないんですね。
だから、恋人がいなくても、ソープ嬢で一番を取ったり、
「他者からの評価」があるときは輝いていたと思います。
でもねえ。恋愛依存症までは行かなくても、やはり
人間って、「他者の目」がないと頑張れないとこって
あると思うんですよね。仕事だって、他者から評価
されなかったら、やっぱり張り合いないし・・・。
だから、それほど「松子」って存在が歪だと思えない
んですよね・・・。

投稿: RIN | 2006/06/05 20:09

あかん隊さん、こんばんは。

松子ってナンなんだろう?
・・という思いは最後になってもわからず終い。
時代に翻弄されたというより、流されていただけ。

「何を与えられたかではなくて、何を与えたか」
そんな感じのセリフもあったけど、
見返りを求めていたら、意味がないのになぁ。
そんな風にも思っちゃいました。

投稿: たいむ | 2006/06/05 18:05

■悠さんへ
なるほど! 「下妻」からの流れがあるように感じたのは、そのためだったかも。>「これ」
「相手」との関係や状況に委ねられた「幸不幸」は、あまりにも「運命依存度」が高くて。
何度も出てくる「なんで?」というのは、それを象徴する台詞のように聞こえました。

中谷さん、がんばってたと思います。

投稿: あかん隊 | 2006/06/05 11:42

>自分自身を、正しく愛する
そうそう、「これ」ですよね。「下妻」には、「甘い物だけ食べていたい」「作るより着る人になりたい」など「これ」感があふれてましたよね。
そうか、「下妻」で、脳天気な「これ」を描いて、こんどは、「これ」がないとどうなるか、って”しかけ”だったのか、この映画(^^)

投稿: 悠 | 2006/06/05 10:05

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