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2006/08/08

ゆれる(20060807)

0807yureruオダギリジョー。香川照之。

彼らは、役者冥利につきる映画に出演できた。
彼らのための映画でもあったように感じた。

やっと観に行けたというのに、今ひとつ、感慨がなかったかもしれない。良かったとは思うのだが、どうも乗り切れなかった。

検事役の木村氏、よかった。

裁判を傍聴したことがないから、実際はどうなのか、差異があるのか、ないのかもよくわからないが、雑な感じがした。血縁者の証言、婚姻関係にある者の証言などは、信憑性に欠けるという判断がなされる場合があると思っていた。たとえ、被疑者に不利な証言であったとしても。

人間の記憶など、一番曖昧で、主観やその時々の心理状態に左右されるものであるのに違いない。確証などない。絶対は、あり得ない。

ここでも、唐突にいろいろなことが起こるし、主人公(弟)の本意も掴みにくいし、その兄の本意となると、さっぱりわからなくなる。主人公は、兄思いの弟なのか? 本当に?
兄にしても、あれほど抑圧された感情をもてあますようでは、ボーダーラインだろう。
…という具合にあとを引く映画だったので、これは良いものなのかも。
それでも、もう一度観たい、とはちょっと思えなかった。良い作品だと感じはしたのだが…。

画面のところどころに「赤」のアクセントが、心憎い。ライターの赤、風船の赤。
あのたばこは、何だろうと気になって、帰り道、自販機にあったので買ってみた。

香川さん、いつもこうエキセントリックな、特殊な役柄が多いようだが、彼の「普通に格好良い役」を観たい。彼を主役にしてみたらどうだろう…、また余計なことを考える。

兄弟の確執や葛藤が中心となるのだが、兄が「苦労を負い、不運」なように見えるのは、なぜか。
ちんまりとすわって、洗濯物をたたんでいる後ろ姿か?

忘れてはいけない。「おかあさん」と称される、いわゆる、あの家の主婦は、おそらくスタンドの仕事は、当たり前のように手伝い、家事一切をやっていたに相違ない。
「おかあさん」が、やっていたことは、さほどの「苦労」でも「不運」でもなくて、長男や夫がやるとなぜ、ことさらに「苦労」に見えて、しかも、どうして「不運」なのか。

どこかにそういった固定観念を前提としたものが横たわってはいないか?

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さてさて、このところ、観たい映画がいろいろある。

○『蟻の兵隊』 公式サイト→http://www.arinoheitai.com/

○『太陽』 公式サイト→http://taiyo-movie.com/
(これは、ずっと気になっていたロシア映画。日本では公開されないかもしれないと思っていたら、やってくれましたね。嬉しい限りです。 出演:イッセー尾形、桃井かおり 他)
連日、混雑しているようですが、何が何でも観に行くゾ!

海賊の映画も、動物のアニメも、あとまわしになる。

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「映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

■現象さんへ
自分も、弟の心境の変化が、どうも不自然な気がしました。
「ゆれる」気持ちは、確かにわかるのです。ですが、最初に列席した時に父親に言い放つ言葉や態度は、ある意味自虐的でもあったと感じ、また、彼女との一夜までは、それらしかったのに、どうして帰宅した時にそのことを隠したのだろう…と。
兄の内面が、ぶちまけられるのは、納得できるのですが、多重人格的なのは、むしろ弟の方ではないかと思った次第です。とにかく、なんだか奇妙な人(弟)でした。

「太陽」、自分も今週、金曜日に行こうかなと思っています。
土日は、どっちみち混み合うでしょう?
当日、映画の前後、どちらかに「若冲と江戸絵画」展 を、と。うまく行くかな(^^;)。

「蟻の兵隊」は、渋谷なので、できれば「レイヤーケーキ」とセットでこなしたいなぁ。「カポーティ」も近く公開ですし、「ブラック・ダリア」も観たいですねぇ。

投稿: あかん隊 | 2006/08/09 22:49

兄の、弟に対する感情・描写はよくできていると思ったのですが、
弟の、兄に対するそれはちょっと希薄かなぁと感じました。
「太陽」ついに公開されましたね!
今週中には見に行きたいと思っております。
「蟻と兵隊」は二の足を踏んでいましたが、
どうもすごそうなのでこれは“見なくてはならない”との思いが強まっております。

投稿: 現象 | 2006/08/09 21:54

■ミチさんへ
コメントありがとうございます! 待っていました(爆)。
ゆれてますか…まだ?(笑)
どうも、社会的な見方をする傾向があるのか、それともジェンダーへの意識が強いのか、登場する男性が、みんなわがままな甘ったれに見えてしかたなくて(^^;)。

でも、田舎にいて、東京に憧れて…という若い女性の気持ちは、痛いほどです。自分も親から逃げたい、と思っていた時期がありましたし。(今思うと、独り相撲だったような気もします)
「いい人だけど、好きになれない」という気持ちもよくわかります。

関係を持つだけで、繋がったと勘違いする人の多くは、「愛情がないなら、関係するはずはない」と思っているのでしょうね。でも、そうじゃない場合が、案外多いのに。(何を言っているんだ?)(汗)
それと同じように、親切にしてくれて、普段仲良しなのだから「愛情があって当然」と勘違いするのも、困ります。

西川監督は、経験があるんだろうなぁ。
オダギリくんが、「…おっさんでもある」と監督のことを評していますが、さもあらん、と。

ところで、オダギリくんの情報が、結構載っていたので、
ちょっとしたサプライズを発送済みです。ご笑納ください。

投稿: あかん隊 | 2006/08/09 18:07

こんにちは♪
ご覧になられたのですね~。
あとを引く映画ですよね。
私なんていまだにゆれておりますよ、いろんな意味で(爆)
母親がやっていたら当然で、男の人がやると「不幸」に見えるっていうのは、そこまで気が付きませんでした。
確かにまだまだ日本はそういう潜在意識がありますよね。
特に田舎に行けば一層そうなのでしょう。
内面をむき出しにすることって本当に居心地が悪くなってあまり好きではないし、これからも私にはそういう事態が訪れないように願っております(笑)
普段空いた劇場で見るのが常なので、この映画の混みようには参りました。
他の方の頭に邪魔されないように2回目は最前列で鑑賞したのでした(汗)

投稿: ミチ | 2006/08/09 17:37

■カヌさんへ
そうですねぇ。確かに、臆面もなく、むき出しになっていた内面が強烈でした。
監督さんは、ご自身で見た夢をもとにしているとか。
ラストの終わり方も、ああいった余韻を含むのが好きなのだそうです。もっとコミカルなものにしたかったらしいですが、このテーマでは…。陪審員制度が施行されたら、どうしたらいいでしょうねぇ。裁判の傍聴、行ってみたいですが。

投稿: あかん隊 | 2006/08/08 23:15

こんばんは。
自分を守るためには本音と建前があって当然だと思うけど、
心の裏側見るのは気持ち良いものではないですね。
でも怖いもの見たさっていうのでしょうか。
画面から目が離せませんでした。

投稿: カヌ | 2006/08/08 23:05

■悠さんへ
お知らせありがとうございます!(喜)
なんの不都合がございましょう。楽しみです。

投稿: あかん隊 | 2006/08/08 22:15

http://www.nhk.or.jp/summer/gtv/gtv22.html
福岡での製作だそうです。(不都合なら消してね(^^ゞ)

投稿: 悠 | 2006/08/08 21:00

■悠さんへ
お能にも、そんなお話があるのですか。
選べなくて、というのは、贅沢なお話のようにも思えますが(^^;)。
カメラのアングルや、音、フォーカスの使い方には、センスがありましたね。ただ、今回は、混雑していたせいもあって、かなり前の方で観賞したため、顔の超アップには、少々引き気味でした。これは、少し離れた席で観賞するのがいいのかもしれません。

「地に足のついた生活」。
それを「良し」としなかった、本意があるように思います。
何が幸せか、何を優先するかは、人それぞれですが、他者が「あなた、りっぱよ。幸せよ。」と思い、言ってあげたところで、本人がそう思えなければ、本人の人生は、真っ暗闇のまま。

だけど、それが「良い」とわかるのは、他者だけだったりするわけで。そういう意味でも、兄は不幸です。ここにもあるのですね。>気づき。

13日ですね! チェックして、必ず見ますね!

投稿: あかん隊 | 2006/08/08 12:18

二人の男性に愛され、選べなくて死んでしまう〜求塚@能〜があるのですが、日本人の古層にこんな物語がのこってるのかもしれないですね。求塚〜何が面白いのかようわからんのですが。
いやぁ、兄は地に足のついた生活してますよ。弟の浮ついた生活とうまく対比されてます。最後、スタジオ一人になってたでしょ。

イッセイさん、13日、NHKで、即興の二人芝居されますので、時間があったらみてくだされぃ〜回し者です(笑)

投稿: 悠 | 2006/08/08 09:05

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