« A&Vフェスタを見学 | トップページ | フラガール(20060929) »

2006/09/26

蟻の兵隊(20060923)

200609img026

理不尽なことは、世の常…とも言えるのだが、これほど理不尽なことはあるまい。

それが「運命」だと了見するには、あまりにも過酷だ。
声を上げなければ、事実は霧散して、実りあるべき「若い時」を無惨に奪われた人々が報われることはない。

フィルムの冒頭、靖国神社の境内で焼きそばをほおばる若い女性たちは、多少驚きの表情を浮かべながらも、事の真意を理解したようには見えなかった。「知らなくてもいいこと」なのだろうか。

「国家」とは、「国」とは何だろう。国、または国民を守るというのは、どういうことだろう。
切り捨てられた兵士は、国民ではなかったか。彼らは、唯々諾々と「命令」に従ったわけではないように思う。人間としての良心を持つ人が、かろうじて存在していたにも拘わらず、訴えは認められず、資料さえ証拠とされない。

「国(国家)」の名のもとに、断を下す人間が、必ずしも良心の持ち主とは限らないし、むしろそうではないことの方が多いような気もする。

彼らは、「抗いがたい力」によって、死地へと赴くことを強要され、今また、似たような「抗いがたい力」によって、蹂躙される。

さて、この「抗いがたい力」とは何なのか?
靖国を訪れた小野田氏に声をかけた奥村氏に対する小野田氏の、あの面差し、まなざしが、すべてを包括しているようにも思える。ヒステリックにも見えた。小野田氏には、彼の戦争を根本的に批判する気持ちはない、とみた。立ち位置が異なると、こんなにも人間は異なる。小野田氏が「少尉」という地位にあったことにも、なんらかの「意識の違い」になっているのかもしれない。

日本国内の機関よりも、中国の機関、人々の方が、ずっと親身で協力的に思えるのは気のせいか…。

過去の過ちを正面から捕らえて、真摯に事実を咀嚼することができない時、過ちはきっと繰り返される。

|

« A&Vフェスタを見学 | トップページ | フラガール(20060929) »

「映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

■現象さんへ
>認められたか否か
確かに、これはとても大きいですね。
小野田さんは、少尉(士官)だったことも影響していると思います。奥村さんは、兵卒です。彼の戦争を巡っては、微妙な関係にある中国でのことですから、日本政府が触れたくないとの想像が容易です。日本の二面性の顕著な例かもしれません。
こうして、事実は破棄され、忘れられ…、残るのは、「平和のために行う聖戦」ということに? 「国」ってなんでしょうねぇ。誰を、何を守っているのでしょうか。

彼女たちは、ある種凡例のようでした。気の毒と言えば、そうかもしれません。(^^;)

投稿: あかん隊 | 2006/09/30 04:07

奥村氏と小野田氏の違いは、
国や世間に認められたか否かということも関与しているように思いました。
小野田さんは肯定に回りやすい立場のような。
結局そうやって日本は、同じ過ちを繰り返すんでしょうね。
いざというときに頼りにならないことは、
決して誇りにならず、
愛国心などますます希薄になることでしょう。
奥村さんの目ヂカラと申しましょうか、それに圧倒されました。
冒頭の少女たちの理解は薄かったのでしょうね。
厚顔無恥な若者の典型としてとらえられて、
そんな姿がスクリーンに大きく映し出されて、
彼女らにはちょっと同情しますw

投稿: 現象 | 2006/09/30 02:09

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/46265/12181165

この記事へのトラックバック一覧です: 蟻の兵隊(20060923):

» 『蟻の兵隊』 [京の昼寝〜♪]
第2次世界大戦後も中国に残留し、中国の内戦を戦った日本人2,600人もの日本軍部隊があった。 奥村和一・80歳、人生最後の闘いに挑む ■監督 池谷薫■キャスト 奥村和一、金子傳、村山隼人、藤田博、百々和、森原一、宮崎舜市、増本敏子、奥村寿□オフィシャルサイト  『蟻の兵隊』  第2次大戦終結後も中国から帰国できず、中国国民党と共産党の内戦に巻き込まれた日本兵たち。 �... [続きを読む]

受信: 2006/10/07 09:06

» 蟻の兵隊 生き証人が生き証人を追う重みと勇気 [もっきぃの映画館でみよう]
タイトル:蟻の兵隊(池谷薫監督) ジャンル:ドキュメンタリー/2005年/101分 映画館:第七芸術劇場(96席) 鑑賞日時:2005年9月24日 60人 私の満足度:80%  オススメ度:100%この作品が多くの人に鑑賞されることを望みます。 東京では11週間のロングラン、大阪でもアンコール上映で やっと見る機会に恵まれました。梅田(大阪)からさらに乗換て いかなれけばならないこの映画館は、ちょっと行きにくいのですが この日は、昭... [続きを読む]

受信: 2006/10/09 21:17

» 蟻の兵隊 [ももママの心のblog]
いったい戦争ってどんなものだったのか?老いた元日本兵は、調べずにいられない。戦争はとっくに終わっていたのに、「天皇陛下万歳」と言って死んでいった戦友の事を思い、自分が殺した中国人の事を思い、いてもたってもいられないのだ。 [続きを読む]

受信: 2006/10/12 12:23

« A&Vフェスタを見学 | トップページ | フラガール(20060929) »