« セプテンバー・テープ(20061022) | トップページ | 父親たちの星条旗(20061026) »

2006/10/25

ブラック・ダリア(20061023)

200610img008Take easy, but not easy.
タイトルになっている事件は、マテリアルとして使われている。主題ではないので、ここでも惹句に疑問を感じた。
これは、「バディ映画」なのだ。

どうしても、ブラック・ダリア事件に注目してしまう結果を引き起こしているので、描こうとする内容が、霞む。

脇役のキャスティングは別として、中心になるキャストに感情移入できない。特に、主人公バッキーを演じるジョシュ・ハーネットは、役にマッチしていないように思う。

ボクシングのシーンは、あんなに要らない。老父との絡みも、たぶん要らない。独白での説明が多すぎる。画面づくりは巧みだが、それだけに頼ってしまっている。映画には、映像そのものにも語らせることができるはずだ。それなのに、物語っていない。主題がうまく伝わってこない。小説は、きっとおもしろいだろうと想像する。

未解決の事件なのだから、未解決のままでもよかったかもしれない。むしろ、リー(アーロン・エッカート)が、事件に対してみせる異常なまでの執着の理由を、きちんと知りたかった。最後には、バディとして「報復」に近い行為を示す主人公の内面の葛藤が、まったく伝わらない。残念だと思う。

ヒラリー・スワンクは、申し訳ないが、お世辞にも「…の中で、一番美しかった」と言えるほどの美貌だろうか? 異常さは香っているものの、「狂気を秘めた美女」とは言い難い。上顎から下顎へのラインが、意思の強さを示していても、美形にはほど遠いように思える。外見で「美」を競うようなタイプの女優さんではないだろう。だが、ここでは、外見の美は必要なものではなかったか? ヨハンソンにしても、影のある「美」を演じるには、年齢的にもキャリア的にも不十分ではないか?

バッキーを受け入れるマデリン(スワンク)に「あばずれ!」と言えるほど、彼が「品行方正」であるようには思えない。無自覚で、失礼なヤツだ。

御託を並べてはいるが、どうしようもない…というほどではなかった。リーのアパートメントの入口は、「引き戸」になっており、当時も今も、欧米には珍しい…と注目したのを覚えている。それにしても、ルックスの良い俳優さん、みなさん、脚の長さは、むろんのこと、「小顔のうえに、首が長い」、と感心して、ジョシュの首を眺めていた。

|

« セプテンバー・テープ(20061022) | トップページ | 父親たちの星条旗(20061026) »

「映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

■カヌさんへ
>惜しい
そうですよねぇ。まったくもって。ボクシングの時間を削って、心理描写にまわせばよかったのに…。(^^;) スワンク、嫌いじゃないんですけど、こういうキャラクタには向いてないと思いましたね。

投稿: あかん隊 | 2006/10/27 08:13

■悠さんへ
ヨハンソン、若過ぎますですよ。やはり30代にならないと…。男性には、あの「どこか幼さの残る…」というのがいいのかもしれませんけど。(^^;) 期待が大きかったからこけましたが、それはこちらの勝手なことでして、映画そのものは、まずまずといったところですね。

投稿: あかん隊 | 2006/10/27 08:11

こんばんは。
とても惜しい映画だなと思いました。
素材は魅力的なのに、シェフの腕前はイマイチかな。
ヒラリー・スワンクは男顔なんですよね(^^;

投稿: カヌ | 2006/10/27 00:15

スワンクは、魔性系ではないですよね。でも、ヨハンソンは、魔性系とみました(^^ゞ。あの時代ですから、バッキーが見上げる洗濯姿が限界かもですね。
脚本がいろんなことをつめすぎて、ちと、散漫になった気はしますが、私は、映画をみているときは、つぎは、どうなる、つぎはと、興味が切れることがなくみられましたから、よしとしてます(^^ゞ

投稿: 悠 | 2006/10/26 21:51

■ミチさんへ
やっぱり、気になっていたので観ることにしました。(^^;)
映像的には、よかったんじゃないかと思っています。お話も悪くないんですけど、ちょっと…ね。(笑)
>アーロン・エッカート
そうそう、確かにこれからおもしろくなりそうな俳優さんでした。
しかし、面長ですよね?(暴言)

投稿: あかん隊 | 2006/10/26 08:15

こんにちは♪
うふふ、ご覧になったのですね~。
私も小説の方がきっと何倍も面白いんだろうなと思いました。
ボクシングシーンも長かったし、アイス&ファイヤーっていうあだ名を貰いながらなんら好対照な相棒に見えるシーンがなかったような・・・。
エリザベス・ショートとマデリンも似ていないし、スカーレットは料理上手に見えないし、ジョシュは苦手だし・・・なんてちょっと辛口を並べてみました(ゴメンなさい~)
アーロン・エッカートは「サンキュー・スモーキング」で主演の人かしら。これから来そうな人ですね。

投稿: ミチ | 2006/10/26 00:01

■現象さんへ
TB反映されてますよ。ありがとうございます!
最近は、スパムが、やや落ち着いているのでTBを復活してみました。(^^;) 仕事より、気持ちが落ち着いたことが大きいかもしれません。

ヒラリーは、「ミリオンダラー・ベイビー」では「美しい人」でした。外見も内側から輝くものがあってこそ…と思います。ミスキャストでしょう。彼女がいけないのではなくて。彼女から「退廃的な美」を感じることができませんでしたから。

せっかくの「バディ」ストーリーなのに、リーの人となりが不明確でした。残念だと思います。

投稿: あかん隊 | 2006/10/25 14:32

おっ、あかん隊さんがTBを開いているなんてめずらしい!
お仕事のほうは落ち着いてきたのでしょうか?
でもうまく貼れていないかも…
ここ数日ココログさんのところも反映されたりされなかったりです。
せっかく久しぶりにあかん隊さんからもらったのに…
ごめんなさい。

そうそう、ヒラリー・スワンクのあご!
かなり自己主張が強いですよねw
彼女を美人というにはちょっと、僕にはその寛容さがありませんでした。
冒頭のボクシングシーンは引っ張りすぎですねぇ。
そのせいで後半が駆け足になってしまったような、
デ・パルマもいいかげんベテランなのだから如才なくやってほしかったです。

投稿: 現象 | 2006/10/25 12:52

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/46265/12421053

この記事へのトラックバック一覧です: ブラック・ダリア(20061023):

» ブラック・ダリア@渋東シネタワー [ソウウツおかげでFLASHBACK現象]
レズビアン・バーでバッキー・ブライカート巡査がマデリンを見た時「ここで最も美しい女性だった」と言っていたが、その受け口が個人的にはそう思わせない。ヒラリー・スワンクの口角に我の強さをにおわせる。「二人のスーパー・コップに」囲まれて暮らすケイの唇が腫れぼった... [続きを読む]

受信: 2006/10/25 12:46

» ブラック・ダリア The Black Dahlia [travelyuu とらべるゆう MOVIE]
ジョシュ・ハートネット、アーロン・エッカート スカーレット・ヨハンソン、ヒラリー・スワンク 出演 リー・ブランチャーとバッキー・ブライチャートは ファイアーとアイスと呼ばれ ヘビー級のボクサーでした その後二人はロサンゼルス警察に勤める警察官になっています ある時チャリティー興行で二人は対決し バッキーは賞金を手にし 父親を老人ホームへ入れるため八百長でわざと負けてしまう 落ち込んでいるバッキーをリーはコンビを組まないかと誘います 二人は腕の立つ殺人課の刑事として活躍していきます リーは恋人... [続きを読む]

受信: 2006/10/25 19:24

» 「ブラック・ダリア」:東京国際フォーラム前バス停付近の会話 [【映画がはねたら、都バスに乗って】]
{/hiyo_en2/}東京国際フォーラムってよく映画の試写会が開かれるわよね。 {/kaeru_en4/}ワールド・プレミアっていうやつな。日本映画で日本人しか来ないのにワールド・プレミアって名づけたりして。あの史上最低映画のひとつ「男たちの大和」もたしかここで試写会を開いたはずだ。 {/hiyo_en2/}でも建物の豪華さだけで言ったら「ブラック・ダリア」なんて、ここで試写会を催すのにぴったりの映画だと思わない? {/ka... [続きを読む]

受信: 2006/10/25 21:26

» 映画「ブラック・ダリア」 [ミチの雑記帳]
映画館にて「ブラック・ダリア」 ジェイムズ・エルロイの同名小説をブライアン・デ・パルマ監督が映画化。40年代のロサンゼルスを舞台に、女優志望の女性が惨殺された“ブラック・ダリア事件”を追う刑事ふたりの運命が描かれる。 主役となる刑事バッキー(ジョシュ・ハートネット)とリー(アーロン・エッカート)がコンビを組むまでの経緯が長く語られ、なかなか“ブラック・ダリア事件”が始まらない。 いよいよ核心の事件が始まったと思った... [続きを読む]

受信: 2006/10/25 23:55

» 映画「ブラック・ダリア」 [しょうちゃんの映画ブログ]
2006年57本目の劇場鑑賞です。公開当日レイトショーで観ました。「アンタッチャブル」「ミッション:インポッシブル」のブライアン・デ・パルマ監督作品。「L.A.コンフィデンシャル」の原作者ジェームズ・エルロイの同名ベストセラーを映画化したクライム・ミステリー。女...... [続きを読む]

受信: 2006/10/26 11:25

» ブラック・ダリア@映画 [こ・と・ば・言葉]
ヨハンソン、H・スワンクを見に行ってきました(^^ゞ。ヨハンソンをめぐるリーとバ [続きを読む]

受信: 2006/10/26 21:52

» 「ブラック・ダリア」 [the borderland ]
ルービック・キューブを適当に回してたら、完成してしまったような感じのする作品でした。前半と後半のバランスが悪く、残り30分で急に早送りになった気分。内容的には魅力があるので、どうせなら3時間ぐらいかけてもいいから、しっかり描いて欲しかったです。 【多少ネタバレ】  ↓どこがヒラリー・スワンクとそっくりやねん!! 主役の2人バッキー(ジョシュ・ハートネット)とリー(アーロン・エッカート)の感情が見えてこない。2人がブラック・ダリア=エリザベス・ショート(ミア・カーシュナー)に何故のめり込む... [続きを読む]

受信: 2006/10/27 00:03

» ブラック・ダリア [そーれりぽーと]
世界一有名な死体云々の予告編とブライアン・デパルマ作品というところに惹かれて『ブラック・ダリア』を観てきました。 ★★ まんまと予告編に騙された。 悪い意味で。 物語の核心部分に触れるまで、主人公の人となりから何からまでを風呂敷広げすぎな程広げ、またそのほとんどが主題だと思っていた殺人とは関係の無いエピソードなので観る気が失せる。 恐らくは、予告編を観ていなければそういったところに主題があるのかとも考え... [続きを読む]

受信: 2006/10/27 01:06

» 『ブラック・ダリア』 [京の昼寝〜♪]
1947年、ロサンゼルス市内の空き地で、腰から切断された若い女の死体が発見された。被害者は女優志望の女。世界一有名な死体になった彼女を、人はこう呼んだ ■監督 ブライアン・デ・パルマ■原作 ジェイムズ・エルロイ(「ブラック・ダリア」文春文庫刊)■キャスト ジョシュ・ハートネット、ヒラリー・スワンク、スカーレット・ヨハンソン、アーロン・エッカート□オフィシャルサイ�... [続きを読む]

受信: 2006/10/29 20:21

» ブラック・ダリア「迷宮入り事件の出入口は情報の差で決まる」 [オールマイティにコメンテート]
「ブラック・ダリア」(R−15指定)は1947年に実際に起こった殺人事件を題材にしてジェイムズ・エルロイが書き上げたノワール小説の傑作「ブラック・ダリア」を映画化した作品である。殺人内容が残忍な上事件の真相に迫る作品としてはあまりにも謎が多過ぎた作品だっ...... [続きを読む]

受信: 2006/10/30 20:52

» ブライアン・デ・パルマ健在「ブラックダリア」 [bobbys☆hiro☆goo☆シネプラザ]
センセーショナルな猟奇殺人事件をめぐる物語 「ブラックダリア」 舞台は1940年代のロサンゼルス。 ダウンタウンの空き地で、 身体を真っ二つに切断された 女の惨殺死体がみつかった。 大都会の暗闇に葬られたその女を、 人々は、ブラック・ダリアと呼んだ。 やがて捜査線上に浮かび上がる 一編のポルノ・フィルムの存在。 ダリアと瓜二つの大富豪の娘、 そして、彼女の一族にまつわるドス黒い秘密。 ロサンゼルスの闇の中で妖しくうごめく事件の謎は、 果たして解決でき�... [続きを読む]

受信: 2006/11/01 23:12

» 映画「ブラック・ダリア」 [茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~]
原題:The Black Dahlia 1940年代後半、日本では戦後色も色濃い頃、へそのところで切断され、口は耳まで裂かれ内蔵はないぞの全裸女性死体、実在事件に着想の小説映画化 元ボクサーの二人の刑事、チャリティーで催すボクシングの試合のシーンもそこそこに、ミステリ... [続きを読む]

受信: 2006/11/12 02:19

» 『ブラック・ダリア』 [映画館で観ましょ♪]
伏線・伏線・伏線が最後に何とか結びつき解決はしたけれど... 誰が誰やら・・・登場人物がそれ程多いとは思わないのだけど、 話の中に出てくる名前と人・顔が一致しなくて... 面白かったかと聞かれれば、「いいえ... [続きを読む]

受信: 2006/11/14 13:55

« セプテンバー・テープ(20061022) | トップページ | 父親たちの星条旗(20061026) »