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2006/11/07

手紙(20061104)

「差別は当然」 「それから逃げずに生きるしかない」
わずかな理解者と共に「差別」を受け入れて。

もう、ごく普通の一般人として生活していくことは無理なのだから。
自分自身が犯罪者でなくても、家族に犯罪者がいたら、それも運命だとあきらめて、屈辱に満ちた人生を生きていくしかない。

本当にそうなのだろうか?

・本当に弟のことを思う兄が、カネほしさの犯罪に手を染めるのか?
・第一級(殺意があったとされる殺人)でもなく、初犯で「無期懲役」?
・「手紙はもう書かない」と言った後で、訪問するのはなぜ?
・見ようによっては、ストーカーのような彼女の言動の根拠はどこにある?

わからない。

親のいない、貧困層には、往々にしてこのようなことが起こりうるのか? このような犯罪行為を行えば、家族(彼には弟だけ?)に影響が出ないわけはない、と考えることもできないほど、稚拙で短絡的な人間だったのだとしたら、人格障害も疑われる。

犯罪を誘発するような差別は、すでに内包されていて、そこからさらにランクアップした「差別」にさらされることになる彼らについて、根本的な対策は何も提示されない。犯罪者の再犯率が問題視されているのも、おそらく、社会からはスポイルされるところにあるのかもしれないが、実際、「癖」のように犯罪に手を染めてしまう人間がいることも確かだと思う。

詐欺まがいの行為で、悪徳の限りをつくし、大儲けして、被害者の中には自殺者までいたとしても、これほどの「差別」を受けることはないだろう。

「お金持ち」が、差別を受けることはなく、経済的に苦しい貧困層が差別を受ける。
教育の機会も、仕事の機会も、はては、健康も、命さえも、「持つ者」と「持たざる者」との差別のただ中にあるような気がしてならない。

こうして、階層は固定化するのだろう。貧しい者は、未来永劫に貧しく。富める者は、既得権益を保持し、分配することなど考えもしない。やりきれない思いだった。

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「映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

■悠さんへ
ほんと、後味の良くない映画で、正直言って観なきゃ良かった(^^;)。
「悪」がないと「善」が成り立たないという構造ならば、なんでかんで「悪」を存在させなきゃならないんでしょうかねぇ?

この映画を観て、有名なキリストの言葉を思い出します。
正確には言えないのですが、「一度も罪を犯したことのない者だけが、罪を犯した者に石を投げることができる」みたいな…。心にやましいことがない人ばかりの世の中になっていくんでしょうかねぇ。怖いなぁ…。

投稿: あかん隊 | 2006/11/21 22:43

後味がよくない映画なんだけど、世間では生意気だとか言われている、沢尻エリカのせいで、まーまーよかったかな(笑)。

事件を起こしたら、家族が差別されるし。タバコをすうのは、もう犯罪者みたいになってるし、今度は「飲酒」運転にひっかけて、飲酒もやめろっていう、清潔な世間になってゆくんじゃないかいって、気分にひたってるんだけど、どうなんでしょね、今の世は。って、世間に合わせて禁酒しようかと思ってんですけど(笑)。

投稿: 悠 | 2006/11/21 20:48

■えいさんへ
痛み入ります。光栄です。TBとコメントまでいただいているとは気がつかずに、えいさんのブログの記事を先にみていました。(^^;)
深い…と言えるかどうかわかりませんが、自分なりに(あくまで個人的に)感じたままを述べました。
もし自分が、あの会長だったら、彼女からの手紙を受け取って、その気持ちに応えようと思ったとしても、彼にあのような言葉を言うことはないと思いました。あれは、現状を言葉にしただけではないでしょうか。不満を述べていたわけでもないのに、「不満だろう」と言われて、その後の言葉を素直に聞けるものでしょうか? むしろ、人の心を逆なでする無神経な言葉に聞こえてしまったのは、自分の不徳の致すところでしょうか…。

投稿: あかん隊 | 2006/11/20 03:38

こんにちは。

遅ればせながら昨日観てきました。
あかん隊さんの深い洞察、
さすがです。
文中でリンクさせていただきましたが、
よかったでしょうか?

投稿: えい | 2006/11/19 16:56

■たいむさんへ
どーもデス。すごい! 陪審員制度みたいなのが、日本でも導入される段階ですから、たいむさんの論理的な結審(?)には唸ります。(^^;)
娘を思う父親…わからなくはないですが、お金を受け取るべきではないなぁって思いました。伝えるべき事実を隠していたことは、褒められたことじゃないけど、気持ちはよくわかる。それでも、真摯に思ってくれる周囲の人には、きちんと伝えておくべきでしたね。隠すことで、より卑屈な生き方になってしまうような気がしました。

投稿: あかん隊 | 2006/11/10 02:48

ちわ~!
この作品の細かいところに対しては、あかん隊さんと同じような感想でした。
が、しかし、こんな差別もあるんだな、であり、それが当然と言ってのけた会長の言葉や娘を想う父親の言葉などには一理あるのかな~と色々と思考を巡らせました。更に至った思考結果に於ける根拠をもう一度論理的に組み立てなおしてみようしたりと、戦争映画以外で久々に脳みそフル回転させた作品として評価しました。
考えていくとね、いかに兄が身勝手だったかが良くわかってきて、酌量の余地は無いよなと思い、無期懲役は妥当!とレビューがそっちのけになってしまいましたが(笑)

投稿: たいむ | 2006/11/09 22:01

■悠さんへ
情報、ありがとうございます。そうなんですか>強盗殺人。
空き巣でも、家人に見つかって「静かにしろ」と言っただけで「強盗」になってしまうって聞いたことがあります。

宮崎勤のお父さん…そうだったんですか。知らなかった。
あ、そのタイトル書店で見かけたことがありました。平台に出てたと思います。読んでみようかしら。

高額所得者は、高学歴であることが多いと思います。知識もあるし、地位もあるから、よほどのことがないと、自ら「殺人」なんて愚かなことには直接手出しはしないでしょう。犯罪と言っても、「詐欺」とか「収賄」とか、どちらかというと頭を使った犯罪になるような気がします。起訴されても「保釈金」が払える。

低所得者は、学歴もないことが多いのではないでしょうか。教育にかけるお金がない。頭を使う犯罪は、はじめから考えることができない…なんて、それこそ憶測でしかありませんが、「差別は当然だ」と人格者のような面持ちで語る会社経営者には、共感できませんでした。

「差別は現実」ですが、差別を正当化するような言質に思えてしまって。いまだ、造反の気分が抜けておりませんです。(汗)

投稿: あかん隊 | 2006/11/07 22:37

法学部に学んの私の知識フル回転させて(^^ゞ
強盗殺人は、死刑か無期懲役しか選択の余地がないので、初犯でも無期は仕方がないんじゃないでしょうか。
宮崎勤のお父さんは自殺してます。【心にナイフをしのばせて】って本がでてますが、初年時代殺人を犯した少年が今は地方名士になってます。
低所得層の犯罪が多い、ってのは、国選事件がおおいことから推測ですが。。。

投稿: 悠 | 2006/11/07 20:43

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