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2006/11/24

日本がアメリカを赦す日

200611img011岸田 秀 著(文春文庫)

語り口がおもしろいので、岸田氏系の本(といっても、文庫ばかりだが)をいろいろ読んでいる。

今日は、3回目になる『父親たちの星条旗』を観賞してきたところ。思えば、あのフラッグは、アメリカが日本を占領する、まさしく旗印だったのかもしれないとも思えた。

近くは、某独裁者のメッセージにも「…の一州に過ぎない日本」という言葉に、たいした反応も示さず、大人の国として振る舞ったようでいて、痛いところをつつかれた(暴言?)…と思う向きもないとも言えず、微妙な心境になる。

来月公開予定の『武士の一分』など、山田洋次監督が表現するような、特に恵まれた生活をしているわけでもないが、慎ましく、静かに暮らせることに満足し、譲れぬものは持ちながらも、決して「大いなる野望」のようなものを抱くことのない日本人の姿を見るにつけ、本当は、静かに日本の中だけで完結した世界を守っていたかったのが、もしかすると、ペリーに脅かされて開国せざるを得なくなった、当時の日本の本音だったのだろうか? とさえ思える。

著者は、日本が「内的自己」(欧米を憎悪する誇大妄想的自己)と「外的自己」(欧米を崇拝する卑屈な自己)とに分裂していると述べている。確かに、そうかもしれない。

彼の戦争は、1853年6月ペリー来航の強引な開国要求に対する意趣返しの意味合いもあったのではないか、とも言っている。パールハーバー奇襲にしても、軍艦4隻を撃沈して、まだ余裕があったにも拘わらず、それでおしまいにしてしまったのだとか。事実なら、無意識下にそんな思いがあったもしれない。考え過ぎかもしれないが。

説得力のある説明のようでもあるが、この著者に特別に傾向しているわけではない。しかし、そうかもしれない…と考えてみることは、ちょっとした自分の楽しみでもあるのだ。

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