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2007/01/27

マリー・アントワネット(20070120)

映像の色彩美と現代風な音楽の絶妙なバランスに酔った。

ソフィア・コッポラ、彼女の手に触れて、アントワネットもデザインされた。
ストーリーも史実も、アントワネットに関しては、知る人も多い。そんな中、敢えて彼女をヒロインに据えた映画を制作したのか、少し考えた。

ソフィアの感覚で、アントワネットをデザインしてみたかったのだろうと想像する。
極めてドライに描かれていたようで、「ロスト・イン・トランスレーション」にも通じる感触があった。

ヒロインの人となりや、周囲の主要な人物の人となりについては、実にあっさりとしたものだった。むしろ、豪華絢爛、贅の限りとも思えるような物の氾濫。そちらにこそ映像の重心があったようにさえ感じられる。風景、室内のしつらえ、調度品、衣装…それらこそが、実は、この映画の主役ではないのか、と。

「世間知らず」なアントワネット。無理もない。夫たる、ルイ16世にしてもしかり。
政を行うにしては、純粋培養されすぎていて、天真爛漫。何も知らなかったに等しいように描かれる。ソフィアが女性であることにも起因するのだろうか、アントワネットに同情的でありながらも、どこかに突き放した目線も感じた。

それぞれの場面での、素晴らしい色彩のバランスにため息をつく。
使われる音楽のタイミングと巧みさにも驚く。
絢爛でありながら、クールにドライに、ヒロインの孤独を溢れる物の中で紡ぎ出しているのだろう。

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コメント

■とらねこさんへ
「ロスト・イン・トランスレーション」では、現代に生きる「孤独」。
今作では、過去にもあった「大いなる孤独」。そんな感じだったでしょうか。ソフィアって、「孤独」を描きたい人なのかもしれませんね。
アントワネット、誰も彼女に大切なことを教えてくれなかったし、時代も、こうした犠牲を必要としていたから、妙に人徳のある、よくできた女性では、いけなかった…そういうこともあるかな、なーんて思いました。あの時点で、じたばたしても時代の流れというのは、仕方ない。
気の毒だったとは思いますけど、仕方ない。

とらねこさんが憧れない、というのにも、大きく頷きます。

投稿: あかん隊 | 2007/02/02 03:07

こちらにも♪
この作品は、楽しむっきゃない!と言った感じで、自分も楽しんでみましたよ。
でも、この映画の中でのマリーも、そうだったんですよね。
重苦しい、重圧から逃れるための手段は、そこここに散らばっていて、それこそ女の子として「楽しむっきゃない」
そんな感じで、毎日を過ごしてたんでしょうね。
まあ、歴史という重みがあるから、“ガールズムービー”になり得ないものを、してしまう、そんな冒険心がソフィアにあったのだと思います。
でも、やっぱり、私はマリー・アントワネットは単なるオバカさんだとしか思えませんw
憧れも特にありませんww

投稿: とらねこ | 2007/02/02 02:06

■カヌさんへ
カヌさんは、ヴェルサイユを観てきたばかりなんですよね?
あー、いいな。死ぬまでには、行かなくちゃ。(爆)
ソフィア・コッポラの感覚は、「孤独感」を描く時、特別なものがあるように思います。観ている人の深層に触れるような気がします。
大衆の中での「孤独」や贅の中での「寂寥」。青春の中にある「陰り」。彼女の作品には、これからも注目したいです。

投稿: あかん隊 | 2007/02/01 16:14

■ミチさんへ
きれいなものとおいしそうなお菓子と豪華な雰囲気、すてきな景色、とロココの雰囲気には、ため息が出ますね。
「ベルばら」の世代、宝塚ファン…たぶん、観賞されたのではないでしょうか。(笑) 評価は、いろいろでしょうけど、ソフィアならではの「アントワネット」。私自身は、映像と音楽の妙を楽しみました。

投稿: あかん隊 | 2007/02/01 16:09

■たいむさんへ
へぇ! たいむさんも4本ですか! アクティブではありませんか!
注目作が、立て続け…というのも辛いことがありますね。嬉しいんですけど。 今作自体は、ソフィアが「アントワネット」を撮りたかったんでしょう。たぶん。ダンストは、ドイツ系だそうなので、マッチしたかも。女性のための映画だったようです。

投稿: あかん隊 | 2007/02/01 16:03

こんばんは。
ソフィア・コッポラはマリー・アントワネットじゃなくても
良かったのかもしれませんね。自分のやりたいことをするには
彼女を使うのが、手っ取り早いと思ったのかも(^^;
実際はどうだったかは別として、朝まで飲み明かして、
朝日見に行くとことかは、青春の1ページみたいで
羨ましいやら、懐かしいやら、親近感がわきましたよ。


投稿: カヌ | 2007/01/27 23:57

こんばんは♪
大好きな雰囲気でした!
マリーの一生を描かせたらそれこそ駆け足になっちゃうし、キリがないので、こういう切り口は多いに結構だと思ったのですが。
実際のマリーはやっぱり何も見ない、見えてない人だったのではないでしょうか。
そもそも庶民とは全く別の次元にいるのだから分かるはずもなく・・・。
馬車の窓からヴェルサイユにお別れするところも淡々としてて結構好きです。「え?これで終わり?」って一瞬思いましたが(笑)

投稿: ミチ | 2007/01/27 23:56

あかん隊さん、こんばんは。
先週の週4本は最高記録でしたよ。(試写会ふくめて)
1月は土曜に習い事がないので、公開初日に見られるのが嬉しくて、ツイツイいろんな作品に手が出したくなるのですわ。先週は秀作ぞろいだったので、尚更に。

この作品はなんでしょうね?
日本には「ベルばら」という偉大な作品があるだけに、とにかくどこに視点を置くかで、全然意見が違ってくる感じ。私にしても、納得できないけど、なんだか理解は出来るという、好き嫌いの世界で括るしかなさそうです。

投稿: たいむ | 2007/01/27 17:39

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