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2007/03/05

ボビー(BOBBY)

ロバート・F・ケネディ上院議員が遊説先で暗殺された日、現場となったアンバサダーホテルでの群像劇、といってしまえば、それでおしまいになりそうだ。

マハトマ・ガンディー、リンカーン、ジョン・F・ケネディ、キング牧師、ジョン・レノン…。
日本でなら、坂本竜馬…?
生き残っていたら、どんなに世界が変わっただろう、と思われる人が、暗殺されている。
そういう巡り合わせなのか、運命なのか。およそ、人類が選び取っていく未来は、決して希望に満ちたものにはならない、そんな気がしてしまう。

日常的で、時代や歴史の流れからみれば、およそ些末なことと思われる、あの時代の苦しげな息遣いが、すばらしいキャストたちの演技やよく練られた脚本から伝わってくる。流れる音楽も、当時の雰囲気をよく表現していて、閉塞感にあえいでいた時代だったのだ、といまさらにして思う。

「クラッシュ」と似ている、と感じる向きもあるだろう。確かにそういった面はある。
しかし、観客は知っている。ここで、暗殺がある、ということを。そして、その時を待っている、と言ってもいい。結果は、わかっているのだ。

なぜ、ロバート・F・ケネディが、あれほどまで支持されたのか、嘱望されたのか、それを裏打ちするような事象が、実は「その時」までの、1日のわずかな間、ホテル内でのできごとや、登場人物たちによって、浅くも深くも示されていく。このことが、ラストで「その時」を迎えるまでに、どれだけ観る者の気持ちや考えを凝縮させていくか、わかるだろうか。

最後に流れるロバート・F・ケネディの演説内容は、感慨深く、すばらしい。40年近く経った今でも、十分に通用するだろう。ということは、状況は、今もあまり変わっていない、とも言えるのだろうか。彼の英語は、とてもわかりやすく、聞き取りやすかった。

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「映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

■栗本 東樹さん
こちらこそ、初めまして。栗本さんのブログでは、きちんとご挨拶しなかったかもしれません。すみません。
現象さんのところやとらねこさんのところ…などで、ちょくちょくお名前をお見かけしています。映画、お詳しいんですね。尊敬のまなざし。
私が、爆発的に映画を観るようになったのは、ここ2、3年のことなので、それより前の映画は、無知に等しく、お恥ずかしいかぎりです。

この映画は、本当に良い映画でした。もっともっと、日本の人も、こういう映画に気が付けるようになるといいな、と思います。
これからも、どうぞよろしくお願いします。

投稿: あかん隊 | 2007/03/13 02:41

■かえるさんへ
TBとコメントをありがとうございます。少しの間、仕事が忙しかったり、体調をくずしたり…めそめそしていました。(^^;)
かえるさんからのコメントで、元気になれます。シャロン・ストーン、すてきでした。ちゃんと年齢相応の役。デミ・ムーアも。壮年になっても美女は違いますね。見習わなくちゃ!
凹んで、映画からも少し遠のいていたのですが、こんな風に良い映画を観てしまうとやっぱり、映画っていいな!と思います。
これからも、どうぞよろしく。かえるさんのブログも、参考にしているんですよ!

投稿: あかん隊 | 2007/03/13 02:37

はじめまして。
TBとコメント、どうもありがとうございました。
TBは一旦保留制限がかかるためお手数おかけしたようです。
すみませんでした。

わかりやすく、観やすく、
ラストの演説までの展開がなめらかで、
現代に対しとても意義のある映画だと思いました。
こうした映画がさして話題にもならないというのは、
なんとも寂しいことのような気がします。

投稿: 栗本 東樹 | 2007/03/12 20:05

こんにちはー。
40年近く経った今でも十分に通用する演説に驚きと大きな感慨がありました!
「善き人~」も本作も素晴らしかったです。
ロバート・F・ケネディが、あれほどに支持されていたことを知らなかった私なのですが、知りえることができてよかったです。
ラジー賞とったシャロン・ストーンもこちらでは素晴らしかったですよね。

こちらのえいさんの
>この映画はぼくにとって特別な作品になりました。
というコメントに おおー!とも思ったのでした。

投稿: かえる | 2007/03/12 13:25

■とらねこさんへ
感無量の映画でした。すべての国の為政者にご覧頂きたい。
所詮、アカデミー賞もアカデミー会員の中からしか選出しない、というので脱会した監督さんもいましたっけね?

投稿: あかん隊 | 2007/03/08 22:12

こうした素晴らしい映画に出会えたことを考えると、アメリカって、一体どんな国なのだろう、なんて思ってしまいます。
ロバート・ケネディのような、まっとうな正論を述べ、世界について正しい方向性を見出そうとする人が、選挙中に一個の非道な銃弾で倒れることもあれば、
また他には、非道な手段を使い、選挙結果に工作を加えて、いまだ大統領として君臨する者もいて。
この映画がアカデミーに全く無視されたことは、本当に遺憾です。

投稿: とらねこ | 2007/03/08 18:22

■えいさんへ
こちらこそ、ご無沙汰しております。仕事の忙殺とその後の体調不良と「鬱」状態が続いていまして、なかなかリカバリできずにいます。
とはいえ、この映画は、どうしても観たかったのです。
なるほど。今の20~30歳代くらいの方々には、リアルタイムとしての記憶がないだけでなく、ことの重大さが伝えられていなかったかもしれませんね。そうした意味でも、この映画の価値は十分にあると言えますね。哀しくて悔しくて、「鬱」とも相まって、個人的には大混乱の心境でした。

投稿: あかん隊 | 2007/03/05 18:46

■由香さんへ
TBとコメント、いつもありがとうございます!
ホテルの入口を通過する犯人がわかりました。悔しい! SPは居なかったのでしょうか? 信じられない安易さです。彼のような政治家は、もう二度と現れないような気がします。今、世界中で起こっている大きな問題も、起こらなくてすんだかもしれない。9.11のテロも、なかったかもしれない。某ドキュメンタリー映画で賞をもらった方のスピーチより、ボビーの、このスピーチがどれだけ重いかを知るべきです。

投稿: あかん隊 | 2007/03/05 18:42

こんにちは。

ごぶさたしています。

この映画はぼくにとって
特別な作品になりました。

ボビーの暗殺については
若い方たちの中にはご存じない方も多く、
それだけに
あのラストは衝撃的だったようですよ。


投稿: えい | 2007/03/05 13:03

あかん隊さん、こんにちは!
TBさせて頂きました^^・
ロバート・F・ケネディが最後はどうなったかを分かっていても、あの厨房のシーンでは呆然となってしまい、肝心の演説の半分も聞けませんでした。残念です。またDVDを観て、確認したいな。。。と思っています。

投稿: 由香 | 2007/03/05 07:57

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