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2007/03/10

アルゼンチンババア(niftyの試写会にて)

くじ運も(他の運も)、決して良いとはいえないので、めったに応募しない試写会に気紛れを起こして応募したら、めずらしく当選。おかげで、先んじてこの映画を観ることができた。

観賞前に月刊「シナリオ」(4月号)でシナリオを読んでしまっていたので、ストーリーは把握していた。会場の音響が良くないのか、セリフがとても聞き取り難かったとはいえ、ほぼ掲載されていたシナリオどおりだったと思う。(原作は未読)

役所広司演ずる主人公の役は、一見に値する。堀北真希は、役によくなじんでいて感情移入するのに違和感がなかった。鈴木京香も、おそらくは象徴的な存在の役だったのだろうけれど、強烈なイメージの割に押さえた演技で好感が持てた。

泣き虫なので、誰かが泣いているとすぐにもらい泣きしてしまう。「死」にまつわるテーマの題材は、卑怯だと思いながらも、ついつい…。

これだけ家族に思われる「おかあさん」は、幸せだ。失ってこそ解る「存在の重さ」と「喪失感」をこうして乗り越える家族がいることを思えば、居なくなる方の立場になったとしても悔いはない。

よしもとばなな氏の本は、読んだことがないが、独特の雰囲気があるのだろうと想像できる。これからゆっくり読んでみよう。

社会の停滞感に伴うように、ストレス、トラウマなど心の問題や健康への注目度が極端に高くなっていて、この映画も「デトックス」効果があるのだそうだが、それとは別に、映画として、邦画らしい空気感とフィルムの色調、ときおり混じるコミカルな挿話も、作品全体を通して人々を見つめる暖かいまなざしのようなものを感じることができるだろう。

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「映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

■たいむさんへ
うーん。正直言って、私も諸手をあげて「good!」と言えるわけではないのです。原作は未読ですが、多分、よしもとばななの世界というのがこういうものなのかも「リアルともファンタジーともつかない」と思いながら観ていたわけでして。(^^;)
年齢のせいなのか、これまでの個人的な経験値がそう思わせるのか、「ダメお父さん」も仕方ない、倫理に反するようなことがあっても仕方ない…あきらめじゃなくて、許容するというか、笑って許せてしまう自分にも気がついていたわけです。

投稿: あかん隊 | 2007/04/06 01:31

あかん隊さん、こんばんは。
役者さんのそれぞれがとてもいい雰囲気で良かったのですが、リアルともファンタジーともつかない感覚にいまひとつ付いていけなかった感じでした。
ユリの言葉の一つ一つには共感できるのですけど。

投稿: たいむ | 2007/04/05 19:40

■とらねこさんへ
こちらこそ。無理していただいて、本当にすまなかった…と反省してます。でも、無理してくれて嬉しかったのも事実です。二人の邂逅にカンパイ!
私は「おかあさん」なんですね。ちょっと、どうしようもないような(といってはイケナイ?)連れ合いもおります。たぶん、彼は、この「おとうさん」のようになっちゃうかもしれない。(私が先に居なくなったら) でもね。だからこそ、残されたなら「頑張って、自分を取り戻して、どんな形でもいい、幸せに生きていって欲しい」そう思えたりしたんです。この映画観て。

投稿: あかん隊 | 2007/03/28 03:45

あかん隊さん、こんばんは☆
その節はどうもありがとうございました。
私は、このお父さんは、それほど酷い行動をしているとは、とても思えませんでした。
誰だって、つらい時に、立ち止まってしまうのは仕方が無いことだ、そう思います。
ずっと走り続けていると、見えない風景だってあると思うんだけど・・・?

投稿: とらねこ | 2007/03/28 02:00

■PGM21 さんへ
お世話になっております。コメント、ありがとうございます。
なるほど。確かにそうですね。日本の法律では、許容できない表現が各所に散見されました。

投稿: あかん隊 | 2007/03/25 00:35

何時もお世話になっております。
え~とこの映画今季ワースト映画となりました。
これだけ突っ込みがいのある作品も珍しいというべきかあれ許しちゃダメでしょうという内容ですよね・・・
理解はしても認めるわけにはいきませんでした。
堀北真希さんにあんな事させちゃ・・・これは講義ものでした。

投稿: PGM21 | 2007/03/25 00:14

■猫姫少佐現品限り さんへ
いつもありがとうございます!
解ります、その気持ち。どんなに喪失感に打ちのめされていたとしても、男性としては、あまりにも頼りなくて情けない。身勝手ですよね。
周りが甘やかすから…というのもあるかもしれない。
「幸福のスイッチ」では、娘でしたが、この映画では父親。
「倫理観」というものが、今、ずいぶん変容しているのだな、とも思いましたよ。私も、もう少し若くて、連れ合いに「想い」があった時なら、きっと腹が立ってしようがない映画だったでしょう。
今は、なんとなく許せてしまったりします。>ダメ男

投稿: あかん隊 | 2007/03/24 19:48

こんにちは!いつもありがとうございます!
これねぇ、、、
>「おかあさん」は、幸せだ
こんな考え方、全く出来ませんでした。
不幸としか思えなかった、、、
男として最低な行動を、ごまかしているとしか思えない映画でした、、、

投稿: 猫姫少佐現品限り | 2007/03/24 17:22

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