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2007/03/06

蒼き狼~地果て海尽きるまで

おおよその予想に違わぬ作品。

主人公とその妻のキャストを知っただけで、観る気持ちが萎えていたことは否めない。
それでも、松山ケンイチくんを観たかった。彼は、とても良かった。ジュチの、あまりにも哀しくて短い一生、その思いを考えると涙を禁じることができなかったのは事実です。こんな切ない役も、きちんと雰囲気を作ることができる松山くんに感動!(すごいひいき目)

角川春樹氏には、頑張って欲しい。この作品のスケール感、モンゴルの風景やその空気を根こそぎ表現しようとする。戦いのシーンも迫力があり、敵味方の軍勢がまさにぶつかり合う様子を俯瞰でとらえた映像には、息をのんだ。

気持ちはわかる。だが、脚本がいただけない。それに、主役の彼に、この役は似合わない。
苦労した悲惨さが、どこかに漂っていても、非情な面を持つ、といった複雑な人物を演じるには、あまりに単純な演技だと言わざるを得ない。
一番、馬鹿馬鹿しかったのが、津川氏が演じたシャーマンのような人物。せっかくの壮大なシーンが、のっけから陳腐なものになってしまった。対して、と言っていいかどうかわからないが、松方弘樹は十分に雰囲気を醸し出していたようだ。

どの場面にも、どの挿話にも今ひとつ盛り上がりが欠けていて、「ここぞ!」と感じられることがなかった。どうにも惜しい作品。しかし、春樹氏の持つ強烈で独特の個性はこの作品にも感じられる。彼の才能と強運が、邦画界においても、ひとつの強力な磁場となっていくことを望んでいる。エールを送りたい。

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「映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

■はらやんさんへ
いつもありがとうございます! はらやんさんの記事だと、今作の良さもきちんと理解されているのが感じられて、上手な文章だな、と思いました。さすがですね。

松山くん「神童」が、もうじき公開です。こっちは、たくさん出てくると思うし、楽しそうな役(シナリオは読んだ)なので、楽しみなんデス。(^^;)

投稿: あかん隊 | 2007/03/13 02:44

あかん隊さん、こんばんは!

オールロケを敢行しただけあって、合戦シーンは迫力ありましたねー。
でも脚本が〜〜。
それに加えて主立った出演者の大げさな演技もあってちょっと引いてしまいました。
津川雅彦さんのシャーマンはどうしちゃったんだろって感じでした。
その中でも松山さんは良かったですよね。
出演場面も少なくてもったいない感じでした(すぐ北方に送られちゃいましたねー)。

投稿: はらやん | 2007/03/12 22:16

■こーいちさんへ
いつもありがとうございます。菊川さんも、現代風のルックスと雰囲気のある女優さんですし、どちらかというと明るくてチャーミングな方としてのイメージが強すぎると思います。連続ドラマなどでは、回数を重ねるうちに役のイメージにフィットしてくることはあるのでしょうけど、映画でのキャスティングは、とても重要だと思うのですけど。
なにしろ、脚本がイケナイ。空々しいんです。不自然な会話が、とても多かったように思います。字幕を読んでいるようなセリフばかりでした。

投稿: あかん隊 | 2007/03/08 01:03

■たいむさんへ
反町くんは、信長や今回のハーンのような威厳のある役には、向いてないのじゃないでしょうか? 結局、同じような役づくりになってしまっているのを感じます。現代劇のような、ドラマなどの方が、彼には会っているような気がします。津川さんには、笑いそうになってしまいました。登場も唐突すぎましたよね。

投稿: あかん隊 | 2007/03/08 00:58

こんばんは。
僕もダメでした。。
キャスティングの基準がよく分からないですよね。
菊川さんが演技しているのもあまり見たことないのですが
なぜ彼女を選んだんだろう??
津川さんも真面目な場面なのに笑いそうになっちゃいましたし。
なんだか色んなところに違和感を感じる作品でした(苦笑)

投稿: こーいち | 2007/03/07 23:37

あかん隊さん、こんばんは。
友情出演とか特別出演で名のある俳優さんがちょい役で登場することはよくあるけれど、津川さんにはビックリでした。
司祭だかなんだか知らないけど、どっから現れたんだ?という感じでしたね。
反町君は、昔はもう少しいい感じだったような気がしていたのですけど。。。

投稿: たいむ | 2007/03/06 18:48

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