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2007/04/10

オール・ザ・キングス・メン

「善は、悪からも生まれる」
キャッチコピーとは逆のことを思う。「悪は、善からも生まれる」
光があたる明るい場所には、陰になる部分がつきまとう。

完全無欠な人間は、いない。確かにそうなのだが。

恐ろしいほどの策略・策謀。ふと漏らす言葉は、信じられないほどの波紋となって大きくうねり、拡がり、すべてを塗り替えてしまう。 何を信じたらいいの か? 目の前で起こる事実だけなのか? 州知事に就任する前のウィリーとその後のウィリーが、同じ人物とは思えないほどの変容を遂げる。人は、かくも「染 まる」生き物なのか…。

ピュリッツァー賞の小説らしい雰囲気。重すぎて、辛い。
息苦しくなり、何度か退場しようかとさえ思った。

小説では重すぎて、とても耐えられないかもしれない。ショーン・ペンの演技には、いつも唸ってしまう。ジュード・ロウも、キャラクタにマッチしていて、キャスティングの巧みさを感じた。

前半は、多少だるくなる。序章の部分など、時間に扱い方が微妙なせいもあるからだろう。サスペンス味を帯びてくる中盤から後半にかけて、一気にたたみ込むような展開を見せる。セピアがかった色調で当時の雰囲気がよく出ている。

ラストの見せ方は、少々懲りすぎかもしれない。原作の二度目の映画化ということで、やや気負いもあったのだろうか。テンポは、必ずしも良くはない。気持ちに余裕がある時に、じっくり観る、そんなタイプだろう。1949年のロベール・ロッセン監督の手によるものも観賞してみたい。(たぶん、そちらの方が良いと思う)

拳銃が市民の手にもある米国社会だからこそのウィリーの末路だが、日本ではどうだろう? 議事堂前に土砂をぶちまけるのが精一杯か…。みんな同じ穴の狢になるんだなぁ。

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コメント

■kiraさんへ
もしかして、ジュードのファンでらっしゃる? (^^;)
彼、良いですよね?(注:私は特にファンでもありませんが…)
どことなく甘ったるくて、母性を刺激するような。。。
ショーン・ペン、演技派ですね。「ミスティック・リバー」での役にしても、「リチャード・ニクソン暗殺を企てた男」でも、この作品でも、エキセントリックな役が、最近多かったでしょうか?
迫力の演技ですけど、観ているのが辛くなるような役。
「アイ・アム・サム」は、良かったなー。

投稿: あかん隊 | 2007/05/19 14:50

この作品も、原作をご存知の方が多くて
けっこう厳しいご意見、感想を目にしました。
私はジュード目当てでしたが(笑)
ショーン・ペンのいっちゃってる一人舞台も良かったですし
ふたりを含む人間ドラマも楽しめました。
でも、ジュードって、ヘタレな役が似合うのね・・(ヘヘ;

投稿: kira | 2007/05/19 10:16

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                       善は、悪からも生まれる。 製作年度 2006 製作国・地域 アメリカ 監督 スティーヴン・ザイリアン 音楽 ジェームズ・ホーナー 出演 ショーン・ペン/ジュード・ロウ/アンソニー・ホプキンス/ケイト・ウィンスレット/マーク・ラファロ/パトリシア・クラークソン 1949年、ルイジアナ州メーソン市を舞台に、 のちに時の大統領から“最も危険な男”と言われた、叩き上げの政治家ウィリー・スターク(ショーン・ペン)と、彼に興味を惹かれる上流階級出身のジャー... [続きを読む]

受信: 2007/05/19 01:01

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