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2007/06/11

あるスキャンダルの覚え書き

20070610ケイト・ブランシェットが美しい。

ジュディ・デンチとケイト・ブランシェットの演技のすばらしさを堪能できる。

異常なのは、未成年との(衝動的で純粋な?)行為よりも、バーバラ(ジュディ・デンチ)という女性の「孤独」のかたち。

どういう結末になるのか、息を呑む。

孤独なまま、老齢を向かえる女性は、このようになる危険な可能性を孕んでいるのだろうか。
バーバラは、シーバ(ケイト・ブランシェット)をどうしたかったのか?

階級、層の違いは、日本で考える以上に欧州では根深いものがあるらしい。そうした状況も含めて考えさせられる作品。

ことのなりゆきにも無理がなく、見せ方も巧みに計算されている。映像的にも、キャラクタ的にも「剛」と「柔」、「明」と「暗」といったものが感じられる。シーバの姿に、バーバラの日記が独白で重なるのは、二人のなりゆきをさらなる第三者としてみる立場にして、観客に供与しているかのようだ。

かのごとく、人は孤独に翻弄される。あたたかな繋がり、信頼の関係を築きたいと切望する。しかし、自分の思いどおりにならない事態を「裏切り」と感じ、報復しようとすることが、本来希望しているものから、真逆の方向へ、すべてを押し流す。そのことに気づけない愚鈍と異常。自己愛は、誰にでもあるものだし、必要なものでもあるが、他者との関係性の上では、適度に抑制されてしかるべきだろう。

「相談して欲しかった。僕は、ここにいたのに」

年の離れた、シーバの夫(ビル・ナイ)は、シーバの裏切りを知って憤るが、もう一度、妻を受け入れ、受け止める。

人間関係は、難しい。
打ち明けてはいけない秘密を持っていて、打ち明けたくなった時でも相手との関わりをよく考えるべきだろう。天真爛漫でいられる年齢では、すでにない。

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コメント

■とらねこさんへ
そうそう! そうですね。プロットが巧みでした。
余計な説明がない分、次のプロセスが衝撃的に感じられて。
自分では、そんなつもりはなくても、「妙に馴れ馴れしい、変な人」なんてことになっている場面、日常でないかしら…と心配になりました。(^^;)

投稿: あかん隊 | 2007/06/25 22:10

あかん隊さん、こんばんは♪
なかなか、素晴らしい展開を見せる映画だったと思います。
冒頭、バーバラの孤独が痛かったです。バーバラの目線で追いかけるうちに、だんだんと、この人から、観客の心が離れていく。
この人にはやはりついていけない、と感じるところで、この物語がクライマックスに向かっていくのがすごかったと思います。

投稿: とらねこ | 2007/06/25 13:55

■moriyuh さんへ
TBとコメントをありがとうございます。
私的には、好きなタイプの映画でした。心理の流れに無理がなく、自然なことと思えました。それだけに、誰にでも起こりうる異常な事態として、恐ろしさもリアルだったと思います。

投稿: あかん隊 | 2007/06/23 23:47

あかん隊様

ご訪問、TB&コメントまでありがとうございました。

☆ネタはちょっと、怖いですね。
普通は嬉しいはずなんですけれど・・・それに考えたら、自筆かも?と思ってしまいました。


>すばらしいキャストを得て、良い(怖いけど)になってましたね。

まさにです。
92分ですが、見ごたえありなのは、やはりヨーロッパ映画ならではの描写だったような気がします。ちょっとしたココロのはりの振れが、大きくなっていく・・・。


また遊びに参ります。

投稿: moriyuh | 2007/06/23 13:30

■カオリさんへ
重いテーマでした。「誰もが、その可能性を持つ」という意味でも。
すばらしいキャストを得て、こうした映画を観ることができて、いろいろ考えることができました。

投稿: あかん隊 | 2007/06/14 02:18

こんばんは。
久々に骨太な濃い~作品に出会いました。2人の女優の演技も重みがありますね。
怖かったのは・・・やはりバーバラの闇の部分です。

投稿: カオリ | 2007/06/14 00:33

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