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2007/07/13

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

20070713001いろいろ考えるところの多い映画ではあった。
妙に時間がかかっているようなシーンが、なんの意味を持つのか理解に苦しむようなこともあり、実験的な要素もあるのかと考える。

聞けば、CMを中心に活躍してきた監督という。
おもしろい構図のシーンもあった。
しかし、映画として観るには、ややムラが多かったかもしれない。

テーマとしては、意表を突くような「家族って何だ」と考え直させるような意図もあるのだろう。多かれ少なかれ、「家族なんだから」という意識にとらわれて、おそらくは、家族に対しても少なからず持っているであろう確執や個人的な残虐性をはき出すような主人公のキャラクタは、確かに魅力的だ。

家族だって、気に入らないこともあるし、徹底的に合わないこともある。「必要だ」なんて、考えたこともない…といったら、「ひどい人!」と言われるかもしれないが、正直言って、そんなこと考えたことがない。と同時に、「自分が必要とされているかどうか」なんてことも、考えなかった。

「必要とされていない…」と自暴自棄になる主人公を義兄が「必要としているから」となだめる箇所がある。自分なら、「そう思うなら、そうすればいいでしょう」と言う。

永作博美が好演。厳しい役だし、変わったキャラクタでもあるのだが、彼女の演じる役が比較的まともにみえるから不思議だ。一番笑えたのが、彼女の役でもある。

比較的わかりやすい自己愛型(ボーダー)で、凶暴で暴力的な姉。しかし、一見抑圧され、しいたげられているように見える妹の方が、実は冷酷無比な人間なのかもしれず、人間の本性というものは、一概には語れない。登場人物の中、どのキャラクタに自分が近いのか、それを考えてみたり、それぞれのキャラクタの中に自分を本心を見出したりできると思う。

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「映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

■たいむさんへ
「妹のタイプ」ですね、私も。どちらかを選べ、と言われたら。(笑)
永作博美は、良かったなぁ。好きな女優さんです。マチコさんが、もしかしたら、一番怖い存在かもしれない、と思いましたよ。自分を崩さずに、最後まで生き残るのは、彼女のような女性かな~って。豹変しないところが、凄い、と思えます。(^^;)

投稿: あかん隊 | 2007/09/11 21:22

やっと公開されました。
私は・・・たぶん妹タイプです(^^;)

まったくの絵空事に感じられなくって、痛い作品でした。
マチコさん、とっても滑稽だったけど、最後に彼女まで豹変しなくてよかった、とホッとしました。(一応勇気をだして、手篭めにしてましたけどwww)


投稿: たいむ | 2007/09/11 19:39

■mezzotint さんへ
どもども。ご無沙汰でした。
サトエリさん、キャスティング的にはツボでしたね!
仏頂面がリアルでした。永作博美、ますますおもしろくなって行きそうで楽しみになってます。(^^;)

投稿: あかん隊 | 2007/08/06 00:30

あかん隊さん
今晩はです★☆お久しぶりで~す!
永作博美さん、ほんまに最高でしたね。
永瀬正敏も食われたかも(*^_^*)
サトエリは適役だったと思います。
演技はいまいちですが。

投稿: mezzotint | 2007/08/05 22:44

■そーれさんへ
あー、まずいんじゃ…。(^^;) この映画のような展開にならないことをお祈り、お祈り。。。かく言う私にも「…との縁が切れたら書きたいゾ」と思うような○○ネタは、山のごとし。(爆)

投稿: あかん隊 | 2007/07/20 21:55

どうもですー。
家族ネタ、うちの妹の性格がこの映画の姉に被って面白いので、別の部ログを立ち上げてこっそり書いてます(ナイショ)
そらーもう凄い妹なもので…、何か有ったとき用の記録として(汗)

投稿: そーれ | 2007/07/19 17:26

■悠さんへ
そうですよね? >家族ネタ、友人ネタ
小説家の大御所でも、サンプルしているのは、身近な人だったりするわけで。「小説」を書くことは、ある意味、恥をさらすことだったりしてますものね。精神的に丸裸になる覚悟がないと書けしない。。。
景色のため…なのかしら。>間延びの感じ
「語る映像」のためでないとしたら、やはり間延びは仕方ないかな。(爆)

投稿: あかん隊 | 2007/07/16 03:19

日本の私小説作家なんて、家族ネタ、友人ネタを小説にしてるんですよね、この映画の妹のように。
間延びの原因は、自然がきれいなもんで、これを描写したせいかともおもってんですけど(笑)。

投稿: 悠 | 2007/07/15 00:47

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